FIA会長、2030年のV8エンジン復活を提唱「より単純で、より軽く、より大きな音を」
FIA会長のモハメド・ビン・スライエム氏が、F1エンジン規則の将来的な見直しに言及した。
スライエム氏は自身のインスタグラムで、2030年を目標としたV8自然吸気エンジンへの回帰案を提唱。F1が長年築いてきたエンジンサウンドやドライビング体験の再定義に意欲を示した。
2014年から続くターボハイブリッド時代と、サウンドを巡る議論
2014年にF1がターボハイブリッド時代へ移行した際、FIAとFOMは効率性や技術革新を重視したが、従来のエンジンサウンドを重視するファン層からは批判の声も上がった。
かつての高回転型自然吸気エンジンは迫力ある音響特性でも知られ、特にフェラーリやマトラのV12、コスワースのV8サウンドはF1を象徴する要素のひとつとして語られてきた。
一方、2014年以降の1.6リッターターボハイブリッドは静粛性が高まり、一部では「怒った掃除機のような音」と酷評されたこともある。サーキットによっては走行中に鳥のさえずりが聞こえるほどで、それ以前では考えられないことだった。そして、2026年からは電動出力比率が50%に引き上げられ、エンジンの方向性を巡る議論はより深刻になっている。
V8エンジンを2030年までに
スライエム氏は、インスタグラムでこう訴えた。
「私はV8エンジンをF1に復活させることを推進している。理想的には2030年までに、遅くとも2031年の次のFIA規則サイクル内に実現させたい」
「V8エンジンはより軽く、単純で、コスト効率が高い。一方で持続可能な燃料を使用することで、環境目標との整合性を保てる」
「さらに重要なのは、世界中のファンがF1と結びつけているあのユニークで心を震わせるサウンドを取り戻せることだ」
そして、技術面での利点についても言及した。
「V8への回帰はブレーキング、コーナリング、ホイール・トゥ・ホイールのバトル、ドライビングフィールの改善をもたらす。高電圧システムを減らし、バッテリーへの依存度を下げられる」
サウンドはF1の魅力の一部という考え
スライエム氏は最後に、エンジンサウンドがF1のブランド価値に直結するとの考えを示した。
「サウンドはF1のアイデンティティの一部だ。より大きく、より力強いエンジンがファンの体験を高めるということを確信している。
新しいエンジンには、より単純に、より軽く、より安全に、そしてより大きな音を、という基準を適用したい」
2026年レギュレーションは始まったばかりであり、来年へ向けて電動化比率の見直しも議論されている中、2030年のV8エンジン復活という構想がどこまで現実のものとなるか。今後の動向が注目される。
【関連記事】
