【モナコGP】フェルスタッペン、スタート直後にシステム急停止「クラッチを離した瞬間、ダウンした」
モナコGPで予選2番手から逆転勝利を狙っていたマックス・フェルスタッペンを、スタートの瞬間に絶望的なトラブルが襲った。フォーメーションラップから引きずっていた違和感、そしてスタートの瞬間にコックピット内で何が起きていたのか。大クラッシュを回避した緊迫のバックストレートを、フェルスタッペンが生々しく振り返った。
「回転数が全く制御できなかった」スタートラインの狂気
フェルスタッペンは、グリッドに並ぶ前からすでに愛車の異変を察知していたという。
「実はフォーメーションラップの段階から、マシンのフィーリングが少しおかしいなと感じていたんだ。そしてグリッドについて、いざプレスタート(発進手順)に入ったとき、それが決定的になった。通常ならクラッチを繋ぐために目標とするエンジン回転数(RPM)にピタッと固定できるはずなんだけど、それが全く言うことを聞かない。針が信じられないくらい上下に激しく跳ね上がってしまっていたんだ。本当に奇妙で、不気味な挙動だったよ」
シグナルが消え、スタートが切られた瞬間、最悪のシナリオが現実となる。
「ランプが消えてクラッチを離した瞬間、すべてが終わった。エンジンが完全にボグダウン(回転数が急激に落ち込んで失速する現象)してしまったんだ。ターン1(サン・デボーテ)を抜けて、なんとか少しパワーが戻りかけたときも、エンジンからは本当に酷い異音が響いていた。だからすぐにアクセルを抜いて、だましだましマシンを戻すしかなかったんだ」
時速数百キロのグリッド上で「祈るしかなかった」
抜きどころがなく、コース幅も極めて狭いモンテカルロ。フロントローから発進した直後に突如パワーを失うということは、後続の20台近いマシンに対して「動く壁」として立ちはだかることを意味する。一歩間違えれば大惨事の大クラッシュを誘発する局面だったが、王者の冷静な判断とライバルたちの神がかった反射神経が最悪の事態を防いだ。
「あの状況では全くパワーが残っていなかったから、あのスピードの中で車輪の摩擦抵抗だけを頼りに、とにかくマシンを左側にステア(誘導)してラインを空けることしかできなかった。後ろのドライバーたちが全員、僕の右側をすり抜けていってくれることを、ただただ祈るしかなかったよ。幸いなことに、みんなの反応が素晴らしくて、上手く避けてくれた。本当に救われたよ」
予選までの好調が水の泡に「原因を徹底究明しなければならない」
金曜日、土曜日と苦しみながらも、予選ではキミ・アントネッリ(メルセデス)に0.043秒差まで迫る見事な走りを披露していただけに、この信頼性トラブルによる失速はチームにとっても計り知れない痛手だ。
「レースを迎えるまでは本当に素晴らしい週末を過ごせていた。だからこそ、表彰台に登るチャンスすらまともに得られないままこんな結果になってしまって、チーム全員が激しく落胆している。もちろん、こうしてレースをまともに戦えないのは僕自身にとっても最高に苦痛だし、悔しくてがっかりしているよ。でも、まずは今日僕たちのマシンに一体何が起きたのか、原因を正確に突き止めなければならない。何ができるかを全員で見極める必要がある」
「これまで僕たちのパッケージは、高速コーナーが少ない低速サーキットで強みを発揮してきた。今シーズンここまで、高速セクションが僕たちの少し弱い部分だと分かっていたからね。今後はマシンに投入していくアップデートで改善されると期待しているけれど、このモナコのようなコースでこんな終わり方をするのは本当に痛い。でも、今後の開発でまた良いサプライズが待っていると信じているよ」
インタビューの最後、記者から「同じくレッドブル育成のアイザック・ハジャーもスタートで同様のトラブルに見舞われたようですが……」と話を振られると、フェルスタッペンは「ハジャーにも? 何が起きたのかはまだ知らないんだ……」と語り、同じシステムエラーがグループ内で多発した可能性に、険しい表情をのぞかせた。
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