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ヴォルフ代表「互いに足を引っ張り合うリスクがある」―ハミルトンの台頭でメルセデス内に生まれた複雑な選手権方程式

toto Wolff mercedes Barcelona

バルセロナ=カタルーニャGPでフェラーリのルイス・ハミルトンが優勝し、キミ・アントネッリが終盤リタイア、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が2位に入るという劇的な展開を受け、メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフ代表は深刻な問題を複数抱えることになった。信頼性の危機、チーム内バトルの方針の再考、そして外部から迫る第3の選手権勢力、ヴォルフ代表はレース後の会見で率直にその全てを語った。

「繰り返すリタイアは受け入れられない」―信頼性が最優先課題

アントネッリが2位走行中にフロントウィングの故障でリタイアしたことに、ヴォルフ代表はまず強い懸念を示した。

「喜ぶことじゃない。こうした繰り返すリタイアは受け入れてはいけない」

ここ2戦での信頼性問題による痛みは数字にも表れている。「モントリオールではコンストラクターズ選手権で25ポイントを失い、今日はさらに18ポイントを失った。首位であり続けるためにはまずゴールしなければならない。信頼性が今の最優先事項だ。チーム内の誰も満足していない。原因を見つけるためにあらゆる手を尽くす」

バルセロナGP後のコンストラクターズ選手権ではメルセデスが262点でフェラーリに72点差をつけているが、その優位がリタイアで削られていることに危機感を持っている。

ラッセルがアントネッリを前に出さなかった問題

kimi antonelli mercedes

レース中盤から終盤にかけて、ラッセルはアントネッリから猛烈な追い上げを受けながらも前を譲らなかった。ヴォルフ代表はこのバトルへの不介入について認めつつ、今後の方針を再考する必要性を示唆した。

「ジョージは素晴らしいスタートを切り、他の全員が止まっているように見えた。しかしその後ペースが落ちて、第1スティントの後半と他の2スティントではキミが明らかに優位だった。2人のバトルには介入しなかった。私たちはずっとそういうやり方で走ってきたからだ」

しかし今後はこの方針が持続可能かどうかを問い直す必要があるとも付け加えた。「ただこれは今後のために検討しなければならない状況だ。勝利を争う状況や勝利を失うリスクがある際に、スピード差がある場合にどう対処するかを話し合っている。常に完全に透明に、チームの最善の利益のために行う。興味深い議論になるだろう」

「第3の勢力」ハミルトンの台頭で選手権が三つ巴にウォルフが最も強調したのは、ドライバーズ選手権の構図が根本的に変わったという事実だ。

バルセロナGP後の選手権順位は、アントネッリ156点、ハミルトン115点、ラッセル106点。ハミルトンはアントネッリから41点差でありながらラッセルより9点前につけており、三者が接近した争いを展開している。

「今や選手権争いに第3の勢力が割り込んできた。コンストラクターズ選手権でもドライバーズ選手権でも」とヴォルフ代表。フェラーリがコンストラクターズでメルセデスとの差を急速に縮めつつある現状と、ハミルトンというドライバーズ選手権の脅威が同時に現れたことを指している。

「互いに足を引っ張り合うリスクがある」

最も重い警告はチーム内の摩擦に関するものだった。

「その意味でドライバーたちとこの状況にどう対処するかを社内で話し合っている。私たちは互いに足を引っ張り合うリスクがある。問題になるとは思わないが、自分の考えを整理し直す必要がある」

この言葉が意味するのは、アントネッリとラッセルの二人が同じチームにいながら、選手権の文脈ではお互いが最大のライバルになりつつあるという現実だ。チームオーダーを出さない方針のもとでは、二人が接近戦を繰り広げることで第三者、今回はハミルトンを利することになりかねない。ラッセルがアントネッリをブロックし続けた時間、ハミルトンは周回ごとに差を詰めていた。

ヴォルフ代表のこの言葉は、今後のレースでメルセデスがより積極的な内部調整を行う可能性を示唆している。チームとドライバーの利益が必ずしも一致しない局面が増えていくなかで、透明性を保ちながらどのような判断を下すか。その答えが、2026年のタイトル争いの行方を大きく左右するかもしれない。

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