F1、2023年シーズン各チーム賞金獲得額

2023年のF1シーズンはマックス・フェルスタッペンとレッドブルが圧倒的な強さを見せ、フェルスタッペンは22戦中19勝という記録的な勝利で3度目のドライバーズタイトルを獲得した。

彼とレッドブルは6戦を残してドライバーズチャンピオンとコンストラクターズチャンピオンの両方を確定させたが、それ以降の順位は激しい争いが続き、多くのポジション争いの決着はアブダビGPまで持ち越された。これにより、2024年以降のレースに大きく影響する数百万ドルの行方は、最終的での各々の順位によって決定される事となった。

メルセデスとフェラーリは2位争いで接近し、アストンマーティンがマクラーレンから4位を取り返そうとする中、ウィリアムズ、アルファタウリ、ハース、アルファロメオは下位4位を争っていた。

アルピーヌはアブダビGPより前に順位が確定していたもう一つのチームで、最終戦を前にアストンより153ポイント後方、7位のウィリアムズを92ポイントリードして6位につけていた。

F1の正確な賞金分配は秘密とされているが、一般に公開されている情報を使えば、各順位がどの程度の割合を与えられるのか推測することは可能だ。F1シリーズを規定するコンコルド協定によると、チーム賞金はF1の商業権利益の50%を占める。

FOM ステファノ・ドメニカリ & リバティメディア

しかし、ある一定の収益を超えるとF1マネジメントの取り分が増えるため、チームが常に50%を手にするわけではない。例えば2022年、F1が25億7,000万ドルの収益を上げた後の賞金総額は11億5,700万ドルで、これは収益のおよそ45%に相当する。

また、賞金は均等に分配されるわけでもない。フェラーリは、1950年以来すべてのF1シーズンに参戦してきた歴史的な重要性から、賞金総額の5%ともいわれる追加支払いを受ける。

他のチームは、チャンピオン獲得など過去の成功に対してより多くの賞金を受け取る。そのため、ボーナスが約25%を占め、残りを10チームが分け合うと推測されている。

F1の予想収益は最大10%上昇する見込みで、チームへの支払いは総額12億5000万~13億ドル程度となる。よって、以下の金額がチームへの賞金支払いを10億ドルと仮定している。

レッドブル:推定1億4,000万ドル

2023年のF1コンストラクターズランキングで優勝したレッドブルが獲得する賞金は推定1億4,000万ドルで、これは賞金全体の14%に相当し、2023年の上限予算を500万ドル上回る程度だという。レッドブルが1-2を決めた開幕戦から、このチームが今年のタイトルを獲得することは明らかだった。

しかし、これほどまでに優勝を独占した事は、人々を驚かせた。レッドブルは22戦中21勝を挙げ、これはシーズン中のどのチームよりも高い勝率である。しかし、レッドブルが2021年のコスト上限規定に違反したことで、この支配がいつまで続くかは未知数だ。

その結果、チームは2023年の風洞テストを10%減額され、さらに700万ドルの罰金を科された。

メルセデス:推定1億3,100万ドル

F1コンストラクターズランキングで2位に入ったメルセデスは、推定1億3,100万ドルを手にした。フェラーリとは3ポイント差の大接戦だったが、メルセデスの信頼性の高さが勝敗を分けたと見られる。

両チームとも長期的な準優勝争いは望んでいないようだが、賞金を考えれば、2位獲得はメルセデスの将来的なタイトル獲得の野心にとって極めて重要であることは間違いないだろう。

フェラーリ:推定1億2200万ドル

F1コンストラクターズランキング3位。フェラーリは2023年シーズンにレッドブル以外で唯一グランプリ優勝を果たしたチームであり、カルロス・サインツがシンガポールGPで優勝を飾った。ブラジルGPではシャルル・ルクレールが油圧系の故障でスタートできず、カタールGPではサインツが燃料漏れでスタートできなかった。

これらのトラブルがなければ、チャンピオンシップの様相はもっと違ったものになっていただろう。最終的に、フェラーリは今季推定1億2200万ドルの賞金を受け取ることになる。

マクラーレン:推定1億1300万ドル

マクラーレンは2023年に目覚ましい復活を遂げ、推定1億1,300万ドルの賞金を手にすることになった。マクラーレンは2023年、開幕から2戦連続でポイント無獲得のバックマーカーとしてスタートしたにもかかわらず、4位入賞を果たしている。

その後、シーズン途中のアップグレードによってマクラーレンは流れを大きく変え、オーストリアでメジャーアップデートが導入されると、カタールGPでのオスカー・ピアストリのスプリントレース優勝を含む9回の表彰台を獲得した。

アストンマーティン:推定1億400万ドル

ローレンス・ストロール アストンマーティンはチャンピオンシップ5位入賞で

アストンマーティンはチャンピオンシップ5位入賞で、これまでで最大の賞金を手にすることになる。アストンマーティンは2021年にレーシングポイントからリブランディングして以来、このシーズンまでランキング7位以上に入ることができなかった。

開幕から8戦中6回の表彰台を獲得し、ランキング3位につけていた。しかし、アップグレード後に他チームが追いつき、アストンマーティンは後半14戦でわずか2回の表彰台を獲得しただけで、ランキングではフェラーリとマクラーレンが彼らの上に浮上した。

アルピーヌ:推定9500万ドル

2023年、アルピーヌは一貫して中堅ポジションに立っていたが、6位入賞で推定9500万ドルを受け取ることになる。これは2021年にルノーからリブランディングして以来、最低の順位である。しかし、今季は昨シーズンに叶わなかった2人のドライバーの表彰台に立つことが実現しており、ポジティブな面もあったと言える。

ウィリアムズ:推定8,700万ドル

F1コンストラクターズランキングで7位入賞を果たしたウィリアムズが受け取る賞金は推定8,700万ドル。2023年までの5シーズンのうち4シーズンで最下位に沈んでいたウィリアムズだが、よりポテンシャルの高いマシンを投入したことで、2017年以降の最高ポイント(28ポイント)を獲得した。

そして、このようにして彼らが受け取ることになる金額は、おそらく他のコンストラクターよりも重要だ。ウィリアムズのような独立系チームにとって予算はより限られており、7位でフィニッシュすることで財政はより安定するはずだ。

アルファタウリ:推定7800万ドル

Franz Tost Helmut Marko Baku

アルファタウリにとって2023年は、4人のドライバーがさまざまな局面で競い合った激動の年だった。後半戦は好調でランキング8位に浮上し、推定7800万ドルがチームに支払われることになった。

アブダビGPではウィリアムズを抜いてさらに900万ドルを獲得する可能性もあったが、角田裕毅の8位入賞はアルファタウリの7ポイント差を覆すには至らなかった。

アルファロメオ:推定6900万ドル

アルファロメオは、2021年以来最低順位となる9位入賞により、約6900万ドルの賞金を受け取ることになる。アルファロメオのタイトルスポンサーが終了するため、ザウバーは2024年から旧名称に戻る。

ハース:推定6,000万ドル

ハースにとっては期待したようなシーズンではなかった。チームはわずか4グランプリとスプリントレースでポイントを獲得しただけで、ニコ・ヒュルケンベルグのオーストラリアGPでの7位がその半分以上を占めている。

その結果、ハースが手にする賞金は6,000万ドルと推定され、これはポットの6%にあたる。競合他社よりもはるかに少ない予算で運営されているチームにとって、これは最悪の結果となった。

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