何が起きたんだ?フェルスタッペンとランビアーゼ、劇的なF1初優勝を振り返る

レッドブルのマックス・フェルスタッペンと彼のレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼのパートナーシップは2023年、新たな高みに到達した。

当時10代だったフェルスタッペンがトロロッソからレッドブルに移籍し、レッドブルでのデビュー戦となったスペインGPでセンセーショナルな勝利を飾ったのは、およそ8年前のことだ。

予選ではチームメイトのダニエル・リカルドに次ぐ4番手につけたフェルスタッペンは、メルセデスのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグの一騎打ちをうまく利用し、フェラーリのキミ・ライコネンからの激しい追い上げを見事凌いで、F1初優勝を遂げた。

『Taliking Bull』のポッドキャストに一緒に出演したフェルスタッペンとランビアーゼは、ふたりの共通の旅の始まりに今一度立ち返り、バルセロナで行われた旋風的な週末について語るよう求められた。

「全体的には、日曜日までかなり密な週末だったと思う。良かったと思うよ。」と、その前の1週間をレッドブルのファクトリーで、シミュレーターでRB12と共に過ごしていたフェルスタッペンは答えた。

「グリッドについたあの時のことは今でも忘れられない。クリスチャン(ホーナー/レッドブルのチーム代表)が僕のところに来て、”まあ、プレッシャーにならない程度に楽しんで、何ポイントか獲れるようにしよう”って言ったんだ。僕は『うん、わかった』と答えた。初めてのレースだったし、プレッシャーをかけず、基本的に忠実に、バカなことはするなということだったんだと思う。」

「予選は4番手。あの日、1周目のターン4は美しいコーナーだった!メルセデスがレースから離脱したとき、”よし、今日はここで表彰台に上がれるかもしれないぞ"と思ったんだ。」

「スピードの面ではかなり速かった。レースはどうだったかというと、タイヤをうまくケアすることができた。2回ピットストップをして、キミを後ろに抑えたまま、数周走った。」

「残り10周の時点でかなりナーバスになっていたのは確かだが、ミスをするわけにはいかなかった。最終ラップまでそう自分に言い聞かせて、ゴールして優勝したんだ。」

フェルスタッペンは、この “夢がかなった”瞬間は、自分自身やランビアーゼ、そして他のレッドブルチームクルーにとっても難しいものだったと認めている。

「ランビアーゼも完全にショックを受けていたと思う。無線で “信じられない”と言っていたのを覚えている。自分も含めて、誰もが『何が起こったんだ?』と混乱していた。あれはこの先も決して忘れることが出来ない光景だった。F1でシートを獲得するために努力し、いつか表彰台に立つことを夢見て、もちろんその表彰台のてっぺんに立つことも夢見てきたのだからね。」

「表彰台に立ってみると、父がそこにいるのが見えて、とても感慨深かった。父は僕以上に緊張していたと思うよ。レース中に鼻血を出し始めたのは、それほど緊張していたかららしいからね。」

ランビアーゼは、バルセロナに向かう前に急いでシミュレーターで準備したフェルスタッペンのパフォーマンスに驚かされたと振り返った。

「マックスの能力がどのようなものなのか、本当にイメージできるようになったのは日曜日を迎える前だったと思う。前戦の後、ある晩にヘルムート(マルコ/レッドブルのアドバイザー)から電話があって、”新しいドライバー、マックス・フェルスタッペンだ”とね。翌朝、ファクトリーから確認があったんだ。」

「シミュレーターでの3日間は、彼がチームに慣れ、クルーや手順、マシンに慣れるためのものだった。普段のレース前のセットアップをできるだけ行い、ブラインドテストや予選用の燃料など、いくつかの課題を与えた。」

「その結果、彼がどのようにセッティングを進めていくのかがすぐにわかった。彼は18歳で、まだまだ子供で、プレイステーションに慣れているんだな。とにかく上手くいっていた。」

そしてレース本番を迎えた。すぐに競争力を発揮し、バランスに大きな問題はなかった。

「マックスは本当に信じられないようなことをやってのけた。左のリアタイヤが限界だったにも関わらず、キミのような経験豊富なドライバーの後塵を拝することなく、マックスがあれほど長い間、あのタイヤで走り続けたのは本当に信じられないことだった。僕の初優勝でもあったし、ダブルパンチで本当にいい一日だったよ。」

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