【スペインGP】角田裕毅、木曜日のメディアインタビュー全容

スペインGPにて、角田裕毅は木曜日、自らの近況を振り返ることとなった。彼はほとんどのメディアインタビューで、ブレーキの問題、チーム内での自身の新しい役割、またそれに伴ったプレッシャーの増加についての後悔の念をあらわにした。また、若い世代のドライバーたちのために、F2やスーパーフォーミュラがこれからどのように将来のF1の課題に臨んでいくかということについても話していた。

【モナコGPにおけるブレーキの問題について】

「ブレーキの問題は去年からありましたが、以前はガスリー選手によく起こっていたように感じます。今シーズンになって、僕により多く起こっています。雨のコンディションでは、ブレーキが温まらずプッシュをすることが困難で、性能の良さを一切感じられませんでした。」 「もちろんタイヤが冷たくなればなるほど悪化します。実際に雨のコンディションでは、より大きな問題になっていますから。でも実は、Q1の時からこのブレーキ問題は起こっていて、僕の予選のパフォーマンスに大きく影響してしまいました。」「他のドライバーに比べ、ブレーキを温めるためだけに僕がより多くのウォームアップをしなくてはいけないのは余計な手間で、少し残念に感じます。ただのハードウェアであるブレーキであって、コンピュータの問題ではないので。」

また、自身のドライビングスタイルがこの問題に影響しているかという質問に対して、以前まではガスリー選手に多く起きていた点や、自身がブレーキを温めることが得意だと言う点を踏まえ、自分のスタイルよりもエンジニア側の問題であると話した。

角田はインタビュアーに対し、モナコGPを以下のように振り返った。

「雨の影響でブレーキの問題が悪化してしまう前まではとても良いペースであっただけに、とても残念に思います。余裕を持って9番手をキープできていましたし、それまでは良いレースであったと思うので、とても苛立ちを感じていました。」「もちろんチームの多くが同じように苛立ちを感じ、残念に思っていたと思いますが、結局のところ、それがレースなのです。」

また、大切なのはこの問題を改善することで、今後同じことが繰り返されない様にするためならば今回の経験も価値のあるものになると話した。

この問題が起きたタイミングについては、「ブレーキの材質が問題だと思うので、雨が降り始め、ドライコンディションの時のようなハードブレーキングができなかったときです。」と回答した。

また、ペダルを通してはこの問題は感じられず、同じ様にブレーキを踏んでいるのに速度の低下を感じられないことで初めて気づくと話した。

【マシンの改良について】

今回の(空力特性に関する)マシンの改良を感じられたかという質問に対しては「チームのクルマの性質がモナコのトラックに適しているという側面の方が大きいと思います。モナコは空力特性重視というよりは、メカニカルなトラックだと思うので。アゼルバイジャンは絶対的にメカニカルなトラックでしたし、モナコもそうだと思います。空力特性が求められる他のトラックに比べ全く違うので、似た様なことは予想していませんでした。」と説明した。

バーレーンテストの時と比べたマシンの性能向上をスペインGPでどれくらい感じることができるかについて聞かれた角田は、「マシンの性能自体向上を感じることに関しては、あまり多くは期待していません。クルマから自然と起こるダウンフォースに対しての方が期待値が高いです。あまり違いは感じられないと思いますが、ダウンフォースとドラッグの軽減はわかるでしょう。先のことはわからないですが、特に予選では苦しむことになるかと思います。」と、懸念を示した。そして以下のように続けた。

「ブレーキを踏むと、クルマがよりピッチし、不安定になります。だからロングランでは予選に比べてあまりブレーキを踏まない様にしています。そのおかげでクルマがあまりピッチしない為、今シーズン、通常は予選を順調にこなしています。」「多分、それがダウンフォースとともに一つの弱点になっていると思います。バランス自体は大丈夫ですが、ダウンフォースが足りず、コーナーではスライドしすぎて直線ではドラッグが強すぎてしまいます。このせいで直線スピードが落ちてしまうのは、絶対的に改善しなくてはいけない点です。」

【チームとの関係について】

シーズンを力強くスタートさせた角田だが、今シーズンのチーム内での居心地について、以下のように答えた。

「僕の価値をチーム、そして他のチームにも示すことは目指していることの内の一つです。ガスリー選手がチームを去った後は特に、チームはドライバーとの関係を少なくとも良いものにしていたいでしょうから。パフォーマンスが良くないのではないかと心配させたくありませんからね。」「なのでその関係性の構築に関して少しのプレッシャーはありました。チームには開発に集中して欲しかったですし。そして良いクルマ、良い技術、マシンが出せる最高のパフォーマンスを提供してくれました。より厚い信用を絶対的に感じていますし、良い方向へ進んでいると思います。自分の責任感も感じていて、それは良い事だと思っています。今のところ、チームとの関係に対しては満足してます。」

【F2とスーパーフォーミュラについて】

最後に、F2とF1のメディア報道範囲の差については以下の様に述べた。

「F2ではこんなに多くのインタビューはありません。トップ3に入れば、一つのプレスコンフェレンスルームで一緒にインタビューを受けることはできますが。これはF1のウォームアップになると思います。クルマのパフォーマンスに関してはスーパーフォーミュラの方がF1に近いかもしれません。」「でも、レッドブルレーシングや他のチームに近くから見られているというプレッシャーを感じられるのはF2の良い点ですね。いつもプレッシャーを感じることになります。スーパーフォーミュラではこのような緊張した環境を感じることはありません。けれど、どちらもF1に備えるためにはとても有益だと思います。」

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