ファーストドライバーにふさわしい角田裕毅と苦しむリカルド

Daniel Ricciardo, Yuki Tsunoda Australian GP
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ダニエル・リカルドの2024年シーズン序盤の低調ぶりは、F1の大きな話題の1つとなっている。

34歳のリカルドが、今年Visa Cash App RBとなったレッドブルのジュニアチームに復帰したのは、現役世界チャンピオンチームへの華々しい復帰とマックス・フェルスタッペンとの再会への第一歩になるはずだった。
しかし、「ドラ息子」の復帰物語は、ほぼ終わってしまった。
むしろ、メルボルン以来、リカルドはシーズン終了を待たず、シーズン途中でチームを去ることになるのではないかという話が出ているのだ。

ニュージーランド・ヘラルド紙によると、オーストラリアGP後リカルドにはすでに最後通告が出されているという。
改善が見られなければ、リアム・ローソンがマイアミGPで彼に代わることになるそうだ。
ローソンは昨年、リカルドの代役として5回出走し、シンガポールでは9位と好成績を残した。

リカルドに近い情報筋と、RBとレッドブルの両チームに近い複数の情報筋は、最後通告の報道は「全く」事実ではないと否定した。
しかし、レッドブル、特にヘルムート・マルコは衝撃的な決断をすることで知られている。
シーズン終了前にローソンがリカルドに代わっても、それほど驚くことではないかもしれない。

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しかし、リカルドのVisa Cash App RBチームに対する商業的価値は否定できるものではない。
リカルドは、Visa Cash Appとの年間3500万ドルのタイトルパートナーシップ契約の締結に重要な役割を果した。
リカルドは、ハリウッドのトップエージェンシーであるCAA Sportsに所属しており、この契約の仲介を手助けした。
また、HUGO(BOSS)は、リカルドの持つ素敵な笑顔がブランドを世界中に発信してくれることを非常に喜んでいる。

VisaやBOSSにドライバー交代を阻止する力はないが、これらの契約からレッドブルGmbHへの資金提供は、リカルドに、他のドライバー(例えばニック・デ・フリース)にはない余裕を与えているだろう。

リカルドの弱点に驚くレッドブルと元同僚

Daniel Ricciardo Melbourne

8回のグランプリ優勝者の予選とレースペースの欠如に驚いているのは、リカルド本人だけではない。
そして、リカルド自身、RBでの課題はマクラーレンでの課題とは比較にならないと認めている。
では、問題は何なのだろうか?

リカルドは新人でもなければ、マシンやチームに慣れていないわけでもない。
彼はプレシーズンを十分に過ごし、新車にも慣れている。
昨年と冬季休暇中の彼の継続的なフィードバックは、VCARB 01の開発に役立っているのも確かだ。
しかし、リカルドは3レース全てでマシンに自信を持てず、もっと時間が必要であることを主張している。

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「ネガティブなことを取り入れたりはしていない」とリカルドはメルボルンで語った。

「シーズンをこんな形で始めるとは思っていなかったのは事実。
去年のブダペストでは、前日にマシンを運転して、裕毅(角田)を上回る予選を走り、[マシンの知識]がなくても本当に強いレースができた。
プレシーズンをフルに過ごし、昨年のレースもすべて経験した今年は、もっと強いスタートを切れると正直思っていた。」

「大事なのは、僕がコースにとどまることだと思う。頭の中がナンセンスでいっぱいというわけではない。正直、気分は良いんだけど、残念な結果で最高の気分とは言えない。」

「でも、深く考えると、ステアリングを握っている時は良い気分で、ワクワクしている。ただレースを続けたい。きっと自分自身が出来ることがもう少し見つかるはずだし、マシンにも何か小さなものが見つかるかもしれないと信じている。」

これは、自信に満ちた発言というよりは、願望のように聞こえる。
あるいは、ドイツのことわざにもあるように、”Die Hoffnung stirbt zuletzt.”(希望は最後まで捨てるべきではない)というところだろうか。

彼はもっと時間が欲しい、もっと時間が必要だと言っているが、それこそがRBにはなく、与えるべきではないものなのだ。

角田裕毅 – 明確なファーストドライバー

Yuki Tsunoda Australian GP 2024

ローラン・メキースを含むRBチーム内には、リカルドのドライビングスタイルに合ったマシンを開発すべきだという声がある。
これらの声は3レース後もまだ重みがあり、その意図は理解できるかもしれないが、グランプリが過ぎるごとに、これらの要求は関連性を失っていくだろう。

焦点は自然と結果を出しているドライバーに移っていくはずだ。
明確で測定可能なパフォーマンス指標によって決定される自然なファーストドライバーだ。
チームメイトを一貫して上回り、選手権の重要なポイントを獲得する、結果を出しているドライバーであるべきだ。
そして、そのドライバーこそが角田裕毅だ。

RBのように財政的に独立しているチームでさえ、コンストラクターズランキングで重要なポイントを逃すことは許されない。
今シーズンこれまでにポイントを獲得できたのは角田裕毅だけだ。
鈴鹿、そしておそらく中国GPでも、この明確なトレンドが浮き彫りになるかもしれない。

ヘルムート・マルコはレース後に、Sky Germanyへ次のようにコメントした。

「角田は金曜日の最初のラップから完璧に走り、今日のレースでも非常に安定した良いタイムを出した。」

「ニコ(ヒュルケンベルグ)がレースの後半に攻めてきた時も、すぐに反撃していた。角田が絶対的に成熟したドライバーであることを確認できたと思う。」

これは非常に高い評価であり、角田が元上司でメンターのフランツ・トストが設定した育成プログラムの最終段階に到達したことを示す最初の兆候だ。

ファーストドライバーにふさわしいのは角田裕毅

リカルドがすぐにどこかに行くことはないだろう。
彼はチームにとって商業的に貴重な存在であり、クリスチャン・ホーナーという非常に強力なサポーターもいる。
リカルドが解雇されることはないだろう。つまり、リアム・ローソンとニュージーランドのメディアは、今はまだ我慢しなければならないということだ。

一方で、RBは理解する必要がある。
結果を出し、価値あるチャンピオンシップのポイントを着実に獲得しているドライバーに貴重なリソースを集中させること。
角田裕毅をファーストドライバーにすることの戦略的重要性を理解する必要があるのだ。

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