ホンダ、PU振動問題の現状を説明
ホンダ・レーシング(HRC)は、オーストラリアGPで続いているアストンマーティンのパワーユニット(PU)問題について、土曜日に現状を説明した。
フリー走行3回目(FP3)では、ランス・ストロールがPU関連のデータに懸念が見つかったとして走行を見合わせた。ただ、ホンダの説明によれば、これは前日から問題となっていた振動とは別の要因によるものだという。
予選までに対応できる可能性もあるとみられていたが、結局間に合わず、ストロールは予選も欠場することとなった。
振動問題、改善の兆しはあるが根本解決には至らず
一方、マシンを悩ませている振動問題については、状況は幾分改善しているという。
この振動はエンジンから車体全体に伝わるもので、バッテリーパックにも影響を与えている。モノコックへの取り付け方式とその相性も絡んでおり、構造的な問題として複雑な様相を呈している。
「振動レベル自体はだいぶ下がってきています。ただ、本当の原因を完全に掴めているとは思っていません」
振動はエンジンの回転数によって発生状況が変わるため、バッテリーの状態を慎重に監視しながらの走行を余儀なくされているとも語った。
深刻さを認識したのは実走から
ホンダが振動の規模を本格的に把握したのは、実走テストに入ってからだったという。シャシーダイナモでのテストは昨年末から行われていたものの、マシンを実際にコースで走らせた段階で問題の大きさが明らかになった。
「振動はある程度あると思っていましたが、その大きさを理解したのは実走のタイミングで、シェイクダウンの段階で深刻さを認識しました」
残るバッテリーはわずか2基、運用にも不安
現状でとりわけ気がかりなのが、エネルギーストア(バッテリー)の残数だ。開幕の時点で手元にあったのは4基のみで、すでにそのうち2基を失っている。
これはFIAの規定による制限ではなく、生産体制の都合によるものだという。
「生産数の問題で、そこまで準備できませんでした」
損傷したバッテリーについては、日本のHRC Sakuraに持ち帰って修復を試みる方針だとしている。
コストキャップが開発の足かせに
現在のF1開発環境についても、率直に言及した。
ホンダが第4期として参戦していた時代と比べ、コストキャップの導入によってテスト設備やベンチの数が減っているという。
「昔は新しい部品を作ったらベンチでテストして、すぐ実戦投入することができました。今はそれができない……」
「他チームも条件は同じですが、ホンダがこれまで強みとしてきた部分には影響があります」
それでも士気は折れていない
厳しい状況が続く中でも、Sakuraのスタッフたちの士気は高く保たれていると強調した。
現在はアストンマーティンのエンジニアも日本に来て共同作業を行い、振動対策に向けたテストを重ねているという。
「大変な状況ではありますが、心が折れているわけではありません。みんなで解決しようと取り組んでいます」
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