ノリス「このままではタイトル防衛はほぼ不可能」―2連続リタイアで現王者が厳しい本音
F1現王者であるマクラーレンのランド・ノリスが、2026年第7戦バルセロナ=カタルーニャGPのパドックで率直な現状認識を口にした。カナダGPでのギアボックス故障、モナコGPでのバッテリートラブルと2戦連続リタイアを経験したノリスは、タイトル防衛について「現時点では現実的でない」と認めた。
バルセロナは「得意サーキット」、しかし今は苦境
マクラーレンはサーキット・ド・バルセロナ=カタルーニャで近年好成績を残してきた。2024年はノリスがポールポジションを獲得し、決勝はフェルスタッペンに次ぐ2位。2025年はピアストリがポールから優勝し、ノリスも2位でマクラーレンが1-2フィニッシュを達成した。
しかし2026年、マクラーレンは過去の好成績とは裏腹に信頼性問題で苦しんでいる。なお今年はスペインで2レースが行われ、6月にバルセロナ=カタルーニャGPが第7戦、マドリードでの新設スペインGPが9月に第15戦として開催される。
「ポディウムどころか、勝利を争える状態ですらない」
ノリスはモナコGPについて、リタイア以上の深刻な問題があったと語った。
「モナコでのリタイアは痛かった。でも今の状態では、優勝争いどころかレースに勝つこと自体が難しい。モナコではメルセデス、レッドブル、フェラーリに次ぐ第4勢力だったし、タイヤでも深刻な問題を抱えていた。あの状態のタイヤでは、ブレーキとステアリング操作を同時にできない感覚だった。どちらかしか選べない」
「信頼性の欠如がタイトル防衛を不可能にしている」
シーズン序盤はまだ楽観視していたというノリスだが、気持ちが変わりつつあると打ち明けた。
「序盤に出遅れた頃は『シーズンはまだ長い、開発で追いつける』と前向きに考えていた。でも何か起き続けて、クルマへの信頼が築けないでいると、タイトル防衛はほぼ不可能になる。今の状況では現実的でないと言わざるをえない」
信頼性問題の厄介な点は、その多様性にあるとノリスは言う。「問題のパターンが毎回違う。一つの弱点をつぶしたら、別の問題が出てくる。チーム全員が信頼性向上のために懸命に働いているのは見えているし、それは信じている」
パワーユニット交換のリスクも迫る
さらに規則上のリスクも迫っている。「使用できるエンジン部品の制限に近づいている。誰もがわかっていることだが、そこを超えれば新品投入でグリッドペナルティを受けることになる。でもそれは自分にはどうしようもない」
ただし、マクラーレンのマシン自体のポテンシャルは否定しない。「マイアミでは最速だったし、本来あそこで勝てていた。カナダでも悪くなかった。だから問題はクルマの速さではなく、信頼性だ」
2027年の規則変更「正しい方向への一歩、もっと踏み込んでほしい」
2027・2028年のパワースプリット変更(ICE比率を段階的に60%へ引き上げ)についてのコメントも求められたノリスは、こう答えた。
「正しい方向への小さな一歩だ。全ドライバーが望んでいた変更だし、もっと踏み込んでほしい。2029年・2030年に向けてさらに進めてほしいと願っている」
一方で現実的な視点も忘れない。「ただ、このスポーツはドライバーが望むことだけでは動かない。ビジネスでもある。関係者全員が何らかの形で納得できなければならない。それでも動き始めたことは評価している」
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