アロンソ、アストンマーティン・ホンダが直面する2026年規定の“出力瓦解”を警告
超高速ストレートが続き、ブレーキゾーンが極めて少ない。前戦シルバーストンで、ドライバーたちを最も苦しめたのが、ターボハイブリッド新規定による「エネルギー・マネジメント」だった。そして今週末に控える伝統のベルギーGPでは、その難易度はさらに跳ね上がることになる。
2度の世界王者であり、今季アストンマーティン・ホンダのステアリングを握るフェルナンド・アロンソは、スパでのレース週末を前に、ファンやメディアに対して極めて衝撃的な警鐘を鳴らした。
「シルバーストンとスパ・フランコルシャンは、信じられないほどエネルギーを『喰う』サーキットだ。 すべてのストレートで電気エネルギーを全開で放出し続けることなんて不可能なのさ。そんなことをすれば、一瞬でバッテリーの『電気』が底を突いてしまう」
アロンソのスパ攻略シミュレーション-1分間のパワー完全ゼロ
アロンソは、パワーユニット(PU)とモーター出力の比率が50:50に設定された2026年レギュレーションにおいて、スパを全開走行した際の絶望的な計算を明かしている。
「たとえば、1コーナーの立ち上がりからオー・ルージュを駆け抜け、5コーナーに到達するまでのケメル・ストレート。この区間でライバルを追い抜くため、あるいは後ろからの攻撃を防ぐために電気エネルギーを使ってしまえば、その瞬間に残りの周回はすべて『終わり』になってしまう。
本来であればこの長いストレートでパワーを最大化するのが最もタイムを削れる方法だが、それをやると、テクニカルな第2セクターを走る『丸々1分間』、ハイブリッドの恩恵を受けられず、一切の電気アシストがない状態で走るハメになる。だから、僕たちは途中のセクションで電気を節約し、14コーナーからバスストップ・シケインまでの最終セクターの直線で、もう一度パワーを使えるようにやりくりしなければならないんだ」
驚愕の事実「電気なきF1」はフォーミュラ2にも劣る
さらにアロンソは、2026年型マシンのパワーユニットが持つ、ある「不都合な真実」を付け加えた。内燃機関(ICE)の出力が意図的に抑えられている現代のF1では、ひとたびハイブリッドシステム(MGU-K)の電力を使い果たせば、その推進力はF1の直下カテゴリーにすら劣るというのだ。
「忘れてはならないのは、一切の電気エネルギーのアシストがない状態になったとき、今年の僕たちのパワーは2025年型マシンよりも劇的に低くなるということだ。そしてそれは『F2マシンのパワーを下回る』ということを意味している。
だからこそ、限られた電気エネルギーをどこでどう使えば一番クレバーなのか、その計算とマネジメントこそが、今回のベルギーGPにおける最大の、そして最も過酷な挑戦になるだろう」
フェルスタッペンが「ストレートでアクセルを緩めてシフトダウンするなんて不自然だ」と嘆く2026年のF1。かつてはアクセルを踏みちぎり、度胸と限界のドライビングが勝敗を分けたスパ・フランコルシャンで、ドライバーたちは“バッテリーを枯渇させないための緻密な算盤弾き”を強いられることになる。アストンマーティン・ホンダ、そして最年長王者の知略が、この理不尽な頭脳戦でどう活かされるのか、その戦略に注目が集まる。
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