ラッセル、母国GP表彰台にも複雑な胸中「僕たちの力で勝ち取った結果ではない」
地元シルバーストンで歓喜のチェッカーを受け、2位表彰台を獲得したメルセデスのジョージ・ラッセル。しかし、その結果の裏にはライバルたちの相次ぐアクシデントや戦略判断が大きく影響していた。元F1ドライバーのデビッド・クルサードも「ラッセル自身、自分がどれほど幸運だったかを誰よりも理解しているはずだ」と指摘しており、当の本人もレース後、自らの2位に複雑な思いを明かしている。
本来であれば、チームメイトでありポイントリーダーのキミ・アントネッリが、ニュータイヤの利点を活かして首位シャルル・ルクレールを攻略し、ラッセルの前でフィニッシュする展開が有力だった。だが、アントネッリは激しい縁石への乗り上げで空力パーツを破損し、サスペンションもダメージを負った。マシンコントロールに苦しみながら走行を続けたものの、コースオフを繰り返したことでタイムペナルティを受けることになった。
さらに、マックス・フェルスタッペンのクラッシュによるセーフティカー(SC)導入もアントネッリには痛手となった。築いていた後続との差がリセットされたことで順位を守り切れず、最終的には15位まで後退した。
ハミルトンのピットストップが順位を左右
ラッセルが2位に浮上したもうひとつの要因は、終盤のSC中にフェラーリが下した「ルイス・ハミルトンをピットインさせる」という戦略判断だった。
このタイヤ交換によって、ハミルトンはラッセルに先行を許すこととなる。結果的に、ラッセルは労せずして2位の座を掴み取ったのだ。
ラッセルが明かした複雑な思い
レース後のオフィシャル配信番組『Nu Silver Arrows Radio Show』で、ラッセルは複雑な胸中を明かしている。
「本当に奇妙な、理屈に合わないような感覚だった。僕自身の個人的な手応えとしては、あのレースはキミとシャルルの後ろ、3位でフィニッシュすることこそが、実力に見合った妥当な結果だと思っていたからね」
そして、レース終盤の展開を冷静に振り返った。
「キミには本当に残酷な不運が襲ったし、マックスのマシンにも問題が起きた。
SC中にルイスがピットに入ったが、あれはおそらくフェラーリとしては正しい判断だったんだと思う。あのような極限のシチュエーションでは、どんな決断を下しても正解にも不正解にもなり得る。ステイアウトしてレース再開後に抜かれれば後悔するし、ピットに入ればその瞬間にポジションを失う。100%正しいと言える選択なんて存在しないんだ。
ただ、僕個人としては、あの展開によって自分が2位という結果になったことには、とても強い違和感を抱いている。
なぜなら、レースの大部分では、すべてが自分にとって裏目に出ているように感じていたからだ。それなのに気づけば2位にいた。僕たちが何か特別に素晴らしい仕事をして勝ち取った2位では、決してないんだ」
スピードの面ではアントネッリに圧倒され、展開の妙で2位を手に入れたラッセル。次戦ベルギーGPを前に「マシンが理解できない」と漏らす彼の苦悩は、この“実力が伴わない好リザルト”によって、より深いものになっている。
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