FIA計測ミスでガスリーの3位復活―アルピーヌの異議申し立て、異例の成功
2026年モナコGPから5日後、F1界に衝撃的な事実が明らかになった。アルピーヌのピエール・ガスリーの表彰台を奪った2度の5秒タイムペナルティが、FIA(国際自動車連盟)の公式再審査で撤回されたのだ。原因はFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)によるピットレーン距離の計測誤りという、前代未聞の失態だった。
「3位」が「7位」に―ガスリーの悪夢
モナコGPでガスリーは9番グリッドからスタートし、2度のセーフティカーと赤旗を経てポジションを上げ、チェッカー時点でアントネッリ、ハミルトンに次ぐ3位でフィニッシュした。しかし2度のピットレーン速度超過(各5秒)の合計10秒がレース時間に加算され、最終的に7位への降格を余儀なくされた。
ガスリーはレース直後に「正直、胸が張り裂けそうだ。言葉が見つからない。何が起きたのか理解できないし、フェアではない」と声を詰まらせ、「奪われた」と表現した。
ピットレーン速度超過でペナルティを受けたのはガスリーのほか、チームメイトのフランコ・コラピント、ルイス・ハミルトン、ジョージ・ラッセル、オスカー・ピアストリの計5名だった。ラッセルとピアストリはレース中にペナルティを消化済みのため、今回の再審査の対象外となった。
計測誤りという「根本的な失態」
アルピーヌは通常の控訴ではなく「Right of Review(再審査権)」を行使した。タイムペナルティは通常の控訴制度では争えないため、規定第14条に基づき「重大かつ関連性のある新たな証拠」を示すことで再審査の扉を開く手続きを選択した。
アルピーヌが提出した新証拠の核心は、FOMが公式タイミング計算に使用したピットレーンの距離データが「不正確で、ガスリーの速度を過大評価していた」という事実だった。
チームはさらに、ガスリーがピットレーン入口手前でスピードリミッターを作動させており、ピットレーン内で制限速度(60km/h)を超えていなかったとするデータとガスリー本人の証言も提出した。
木曜日に第1回審問が行われ、翌金曜日の朝にガスリーへの2つのペナルティ撤回と3位復活が正式に発表された。
ハジャーは「幻の初表彰台」に
この決定で最も影響を受けたのはレーシングブルズのアイザック・ハジャーだ。ガスリーのペナルティによって3位に繰り上がっていたハジャールは、モナコの表彰台で初めてシャンパンを浴びたが、今回の決定でその結果は取り消された。
アルピーヌの公式声明
アルピーヌはこう声明を発表した。「FIAが先週末のモナコGP最終順位に関する我々のRight of Reviewを認める決定を下したことを歓迎する。その結果、コミッサリーは10号車に科された2つの5秒ペナルティを撤回し、チームの3位が復活した。この手続き全体を通じて透明性を持って協力してくれたFIAとFOMに感謝したい」
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