ノリス、苦闘を乗り越え今季初&王者としての初勝利! チームメイトの劇的リタイアと猛攻を退ける
2026年F1第11戦ハンガリーGPの決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートした世界王者ランド・ノリスが劇的な展開を制して今季初優勝を飾った。
マクラーレンにとって今シーズン初勝利であり、過去5戦で5人目の勝者が誕生する混戦模様となった今大会。ノリスにとっても、世界タイトルを獲得した2025年第21戦サンパウロGP以来となる、待望の「王者としての初勝利」となった。
しかし、表彰台に立ったノリスの表情には歓喜とともに色濃い疲労が滲んでいた。ポール・トゥ・ウィンという文字通りの圧勝に見える結果の裏には、レース序盤のミスやチームメイトの不運、そして背後から迫るライバルたちとの熾烈な駆け引きが存在していた。
苦しいスタートと圧倒的なレースペース-「リヤを失ってしまった」

オープニングラップのターン1からターン2にかけて、ノリスは3番手スタートのチームメイト、オスカー・ピアストリの先行を許す苦しい立ち上がりとなった。
「正直、本当に疲れたよ……!
スタートの1ラップ目に何が起きたのか自分でもよく分からなかったんだ。リヤのグリップを失ってしまってね。ラインを外しすぎて、完全にゲームオーバーになってしまった。感覚としては最悪だったよ。
でも、そこからの自分のレースペースはキャリアの中でもベストと言えるくらい素晴らしいものだった。圧倒的なペースがあったからこそ、ステントを伸ばす戦略を成功させることができたんだ。再び勝利を手にすることができて、そして『背番号1の王者』に相応しい一番高い場所に戻ってこられて本当に嬉しいよ」
今大会、マクラーレンはハンガロリンクに新しいフロアをはじめとする大規模なアップデートを投入。その効果は絶大であり、ノリスは勝利の価値をチームの努力へ帰した。
「アップデートは見事に機能した。チームが成し遂げてくれた仕事は本当に素晴らしい。僕たちのマシンは勝てるマシンへと進化していたし、それを結果として証明できて胸を張れるよ」
波乱に満ちたハンガロリンク-ピアストリの脱落とフェルスタッペンの猛威
レースは中盤から終盤にかけて大荒れの展開を見せた。
首位を走行し戦略の優先権を得ていたピアストリだったが、1回目のピットアウト直後に周回遅れのカルロス・サインツと接触してタイムロス。この影響で、ピットインを遅らせていたノリスが実質上の首位へ躍り出ることとなった。
さらに56ラップ目、首位ノリスを追っていたピアストリの「MCL39」を突如ギアボックストラブルが襲う。コース脇にマシンを止めて痛恨のリタイアを喫し、マクラーレンのワン・ツー体制は突如終わりを迎えた。
このピアストリの停止によって導入されたバーチャル・セーフティカーを完ぺきに活用したのが、4番手から追い上げていたマックス・フェルスタッペンだった。巧みなピット戦略で2位へ浮上したフェルスタッペンは、終盤にかけてノリスの背後へと迫った。
マクラーレン陣営は、ピアストリのギアボックス破損の原因が「縁石の衝撃」にある可能性を疑い、ノリスに対して縁石を避けて走行するよう無線で警告を発し続けた。ノリスはその制約の中でも集中力を切らさず、最終的に15秒以上の差をつけてトップでチェッカーを受けた。
サマーブレイク前の最終戦で見せたノリスとマクラーレンの復活劇。劇的な形で勝利を収めた世界王者は、勢いそのままに後半戦の舞台、オランダ・ザントフォールトへと乗り込む。
F1ハンガリーGP 決勝 結果・タイムシート
| 順位 | No | ドライバー | チーム | GAP | INT | POS | PIT |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン | ― | ― | - 0 | 3 |
| 2 | 1 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル・レーシング | +15.080 | +15.080 | ↑ 2 | 2 |
| 3 | 12 | アンドレア・キミ・アントネッリ | メルセデス | +18.728 | +3.648 | ↑ 4 | 2 |
| 4 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | +23.840 | +5.112 | ↓ 2 | 3 |
| 5 | 44 | ルイス・ハミルトン | フェラーリ | +24.540 | +0.700 | - 0 | 3 |
| 6 | 6 | アイザック・ハジャー | レッドブル・レーシング | +55.488 | +30.948 | ↑ 2 | 2 |
| 7 | 63 | ジョージ・ラッセル | メルセデス | +57.503 | +2.015 | ↓ 1 | 2 |
| 8 | 30 | リアム・ローソン | レーシングブルズ | 1L | +54.289 | ↑ 3 | 2 |
| 9 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | アウディ | 1L | +2.349 | ↑ 1 | 2 |
| 10 | 17 | アービッド・リンドブラッド | レーシングブルズ | 1L | +20.668 | ↓ 1 | 1 |
| 11 | 98 | ガブリエル・ボルトレト | アウディ | 1L | +0.978 | ↑ 3 | 1 |
| 12 | 10 | ピエール・ガスリー | アルピーヌ | 1L | +1.401 | - 0 | 3 |
| 13 | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン | 1L | +10.399 | ↑ 7 | 2 |
| 14 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アストンマーティン | 1L | +2.224 | ↑ 2 | 2 |
| 15 | 43 | フランコ・コラピント | アルピーヌ | 2L | +22.537 | ↓ 2 | 2 |
| 16 | 31 | エステバン・オコン | ハース | 2L | +8.983 | ↓ 1 | 2 |
| 17 | 23 | アレクサンダー・アルボン | ウィリアムズ | 2L | +39.870 | ↑ 2 | 2 |
| 18 | 55 | カルロス・サインツJr. | ウィリアムズ | 2L | +0.244 | - 0 | 3 |
| 19 | 87 | オリバー・ベアマン | ハース | 2L | +4.225 | ↓ 2 | 2 |
| DNF | 81 | オスカー・ピアストリ | マクラーレン | STOP | ― | ↓ 17 | 2 |
| DNF | 11 | セルジオ・ペレス | キャデラック | RETIRED | ― | ↑ 1 | 3 |
| DNF | 77 | バルテリ・ボッタス | キャデラック | RETIRED | ― | ↓ 1 | 1 |
【関連記事】
