ストロール、アストンマーティンの危機的現状を告白「低速で毎回ギアの同期が失われる、ホンダPUは20〜30kW不足」
モナコGPの木曜日、フェルナンド・アロンソが語ったチームへの評価が“率直”なものだったとすれば、ランス・ストロールのそれは“容赦のない暴露”だった。ストロールは、アストンマーティンの現在の絶望的な立ち位置、モナコで致命傷となりかねないギアボックスの欠陥、さらにはホンダ製パワーユニット(PU)の具体的なパワー不足の数値までを、赤裸々に語った。
ミッドフィールドとの差も大きい現状

今週末の個人的な目標について問われたストロールは、具体的な順位には触れず、「マシンと自分のパフォーマンスを最大限に引き出すことだけ」と語った。
それほどまでに、現在のアストンマーティンは厳しい状況に置かれている。
「僕たちは今、ミッドフィールドのチームにさえ何秒も及ばない位置にいる。パワー感度が低いモナコでは、他チームとのギャップは多少縮まるかもしれないが、それでも上位争いに加わるのは極めて難しいだろう」
また、現在のグリッドにおける上位勢との圧倒的な格差についても言及。好調なメルセデスやマクラーレンといったトップチームと、アストンマーティンやキャデラックなど後方グループとの間には、「おそらくダウンフォース量だけで100ポイント以上の開きがある」と指摘した。
低速コーナーで顕在化するギアボックスの課題
ストロールは会見の中で、駆動系に関する問題についても詳しく説明した。前戦カナダGPで一定の改善が見られたとしながらも、ギアボックスの課題は依然として解決には至っていないという。
「マシンの速度が時速40km以下になるたびに、ギアの同期が完全に失われてしまうんだ。だから、その都度システムを再同期させなければならない。これをここモナコに当てはめてみて欲しい。超低速コーナーを通過するたびに毎回同期が外れ、そのたびに再同期のプロセスを踏むことになる。この一連の電子制御のバグによって、毎回莫大なタイムロスが生じている」
超低速コーナーが連続するモナコ市街地コースでは、この問題が特に大きな影響を及ぼす可能性がある。
ホンダPU─振動は改善も、パワー不足
また、パートナーであるホンダについては、これまでチームが公にすることを避けてきた“出力不足”の具体的な数値を告白した。
「純粋に必要なパワーが足りていない。確かに、初期に苦しんでいた不快な振動やドライバビリティの面はいくつか改善された。ただ、これがすべてホンダだけの責任だとは思わない。車体側の問題もあるはずだ。ホンダは振動の解決に向けて素晴らしい仕事をしてくれたが、トップチームに対抗するためには、まだ20〜30kW(約27〜41馬力)のパワーが不足している」
シート問題にも継続して取り組む
アロンソがシートポジションの問題を解決した一方で、ストロールも自身が長らく同様の課題を抱えていたことを認めた。
ホームレースだった前戦カナダGPは気力で乗り切ったものの、現在もシートやペダル位置の微調整を続けているという。
ストロールはこれについて、「2026年型マシンならではの新たなチャレンジだ」と語った。
大型アップデートと2027年への展望
今後については、夏に投入予定の大型アップデートへ期待を寄せた。まずはその改良によって中団グループとの差を縮め、その後2027年に向けてさらなる前進を目指しているという。
また、2027年以降もチームに残る考えがあるかとの質問に対しては、「今のところ、それが僕の計画だよ」と回答し、アストンマーティンでの将来に前向きな姿勢を示した。
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