ヘイロー、12トンに耐えるよう設計された保護装置

F1 Halo Red Bull Mcdonalds
スポンサーリンク

2018年に導入されたヘイローは、F1の歴史の中でも最も議論を呼んだ一方で、間違いなく最も重要な安全強化策の1つである。チタン製のコックピット保護構造であるヘイローは、衝突時に重い破片をはね返し、ドライバーの頭部を守ることを目的として設計された。約12トンの荷重に耐えるこの保護装置の導入により、シングルシーターの美学やオープンコックピットの哲学について議論が巻き起こったが、その価値はすぐに証明されることとなった。

導入以降、ヘイローはその有効性を何度か実証してきた。象徴的な例が2018年ベルギーGPのスタート時に起きた事故で、フェルナンド・アロンソのマクラーレンが宙を舞い、シャルル・ルクレールのザウバーに乗り上げた場面だ。ヘイローがなければ、飛んできたホイールがルクレールを直撃していた可能性もある。

esteban ocon haas brazil

さらに記憶に新しいのが、2020年バーレーンGPでのロマン・グロージャンの大事故だ。マシンがガードレールに突っ込んで炎上するという、F1でも類を見ない衝撃的なクラッシュだったが、ヘイローはガードレールの形状を変え、衝撃と火災から彼の生存空間を確保し、命を救う決定的な役割を果たした。

技術的な観点で見ると、ヘイローは重さわずか約7kgのチタン製構造でありながら、2階建てバスに相当する約12トンもの荷重に耐える強度を備えている。その形状や取り付け位置がドライバーの視界を遮らず、さらに緊急時の素早い脱出を妨げないようにするため、国際自動車連盟(FIA)の管理下で長年にわたって厳格な研究とテストが行われた。

スポンサーリンク

導入当初はデザイン面の議論も多く、必ずしも歓迎されなかったヘイローだが、その後の数々の事故で効果が証明され、いまでは欠かせない安全装置として認識されている。現在ではすべてのシングルシーターカテゴリーに採用され、ドライバー保護の新しい基準を築いた存在となった。

【関連記事】

スポンサーリンク

類似投稿