【マクラーレン】育成プログラムに史上初となる女性ドライバーを採用

マクラーレン・レーシングは今回、ドライバー育成プログラムとして、現在F1アカデミーで活躍する18歳のビアンカ・ブスタマンテと契約を結んだことを発表した。マクラーレンの新人育成プログラムに女性ドライバーが起用されることは歴史上初の快挙である。

フィリピン出身のブスタマンテは、2022年にWシリーズでデビューを果たし、新人王の栄誉を獲得した。今年、彼女はプレマ・レーシングからF1アカデミー初シーズンのグリッドに加わり、これまでに2度の優勝と2度のの表彰台を獲得した。今週末はオースティンでシーズン最終戦を迎える。

プログラムの一環として、ブスタマンテは2024年のF1アカデミーグリッドでマクラーレンを代表したカラーリングで走行、ARTGPチームにてレースに参加することとなる。

マクラーレン・ドライバー育成プログラムへの彼女の参加は、F1、インディカー、フォーミュラEに向けて進出できるよう支援するというチームの意思を意味する。

今回の契約についてブスマンテは以下のように語った。

「これは私のキャリアにおいて、非現実的な瞬間だ。マクラーレンとARTGPと契約を結ぶというのは、フィリピンでカートをしていた頃の私には想像もできないようなことだった」

「未だに“マクラーレン”という文字の横に自分の名前が書かれているのを見て、感情的にならずに冷静を保つのは難しい。このチームの歴史と、継承された伝統には、本当に言葉を奪われる。」

「この機会に本当に感謝している。次のキャリアへステップアップするための育成支援が完璧に整っている場所に身を置けることは、本当に有難い。2023年は自分のスピードを改善することに集中し、数々のレースでその改善を実際に見せることができたと思う。2024年は、一貫性を作り上げることと、メンタルの強化にも力を入れて、F1アカデミーのシーズンに望んでいきたい。」

「まず今はここオースティンで、F1アカデミーのシーズンを良く締めくるということに集中している。だが、すぐに2024年シーズンの準備にも取り掛かっていきたい。こんなに人生でやる気に満ち溢れているのは初めて!私たち女の子がレースできる機会を作るために、戦い続けてきてくれたスージー・ヴォルフに大きな感謝を述べたい」

「そしてザク・ブラウン、アンドレア・ステラ、エマニュエル・ピロ、セバスチャン・フィリペ、スポンサーの方々、私をサポートしてくれている全ての人に、私のことを信じてくれていること、全てを可能にしてくれたことに感謝している。私は今、感謝の気持ちで溢れていて、自分の全てを出し切り、絶対に後悔はさせないと誓う。」

マクラーレン・オレンジに身を包むビアンカ・ブスマンテ

マクラーレンF1のチーム代表であるアンドレア・ステラはこう付け加えた。

「ビアンカがチームに加わってくれること、そして彼女を通してF1アカデミーへ参加をできることに対して、我々は喜ばしい気持ちでいっぱいだ。多様性と包括性はチームの主要な信念であり、F1における大切なトピックでもある。モータースポーツ界のジェンダー多様性に貢献できることをとても嬉しく思っている。」

「また、マクラーレン・ドライバー育成プログラムを通して、エマニュエル指導の元、ビアンカが成長していく過程を見るのもとても楽しみにしている。」

歴史の長いチームであるマクラーレン・レーシングは、伝統を継承しながら新しい改革を進めていくに違いない。今後の活動にも期待していきたい。

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