【オーストリアGP】ルクレール、初日終え悲観的なスタート「今週末は苦しい戦いになる。マシンのすべてが想定外だ」
前戦バルセロナGPで、ルイス・ハミルトンがフェラーリ移籍後初となる感動的なトップチェッカーを受け、チームの士気は最高潮に達していた。多くのフェラーリファンが、パワーサーキットであるスピルバーグでもその勢いが持続することを期待していたはずだ。しかし、第8戦オーストリアGPの幕開けは、極めて厳しい結果結果となった。
金曜午前中のFP1で、フェラーリはハミルトンが5番手、そしてもう一台のマシンにはスウェーデンとボスニアのハーフである期待の新星、ディーノ・ベガノヴィッチを起用して9番手と、やや控えめなポジションでセッションを終えた。
午後のFP2になってようやくステアリングを握ったシャルル・ルクレールは、35周を精力的に走り込んだものの、トップ集団から大きく引き離された8番手タイムに沈没。チームメイトのハミルトンも5番手に留まり、ライバルであるメルセデスやマクラーレンの後塵を拝する形となった。
ルクレール「出遅れが原因ではない。チームとして戦闘力が根本的に足りない」
セッション後、囲み取材に応じたルクレールは、午前中のFP1を欠場したことによるプログラムの遅れが原因ではないと、きっぱりと前置きした。
「簡単な金曜日じゃなかった。特に僕にとってはね。もちろん、FP1を走れなかったことは決してプラスには働かないけれど、その分の遅れ自体は通常、セッションが進めばうまくリカバリーできるものなんだ。問題はそこじゃない」
ルクレールが深刻な表情で見据えているのは、マシンの根本的な「スピード不足」だ。
「チームとして、現時点での僕たちの競争力は非常に低いと言わざるを得ない。まともなペースを取り戻すためには、これから山のような仕事をこなさなければならない状況だ。
これからすべてのデータを徹底的に分析し、土曜日に向けてなんとか『ステップアップ』を踏み出せるようにハードワークするよ」
直線スピードの壊滅的なロス、そして牙を剥いた想定外の「コーナリング」
具体的にどのセクションでタイムを失っているのか。レッドブル・リンク特有のレイアウトを前に、ルクレールはより具体的なディテールを語った。
「このサーキットには、非常に長いストレートセクションがいくつも存在する。そして、僕たちはまさにその直線区間だけで、ライバルに対して信じられないほどの大量のタイムを失ってしまっているんだ」
さらに衝撃的なのは、フェラーリの本来の強みであるはずのセクションでも異変が起きているというファクトだ。
「直線だけでなく、コーナリングスピードでも後れを取っている。これに関しては、チームとしても完全に『悪い意味での誤算』だった。なぜなら、通常であればフェラーリはコーナーの連続するセクションで高い競争力を発揮できるはずだからだ。しかし、ここでは全くそれが機能していない。今すぐ修正が必要だ」
週末に向けた暗い予言「ハミルトンも僕も、今の車に満足していない」
前日、ジョージ・ラッセルが「フェラーリの直線スピードは脅威だ」と警戒していたのとは真逆に、当のフェラーリ内部では直線スピードの低下という致命的なバグに直面している。そしてルクレールは、この問題が数時間で解決できるようなイージーなものではないとファンに覚悟を促した。
「ストレートでの速度不足という問題は、おそらくこの週末の間だけで短期的に解決できるようなものではない。だからこそ、今週末の僕たちはかなり苦しい戦いを強いられることになると思う。
現時点で、ルイス(ハミルトン)も僕も、マシンの挙動(ハンドリング)に対して全くハッピーではないんだ。だけど、僕たちは絶対に諦めない。土曜日には今日よりも良い一日を過ごせることを心から願っているよ」
前戦の勝者ハミルトンをもってしても手が出せないSF26のバランス不足。土曜日のスプリント予選、そして決勝グリッドを決める本予選までに、小松礼雄率いるハースやマクラーレンといった「猛暑に強いライバル」に対して、フェラーリのエンジニア陣がどのようなマシンの修正を施してくるのか。跳ね馬にとって、2026年シーズン最大の正念場が訪れています。
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