【オーストリアGP予選】アントネッリ、痛恨の“アタック自己中断”を猛省。「ダブルイエローだと勘違いした」
第8戦オーストリアGP予選Q3の幕切れでグリッド、パドック、世界中のファンを混乱させる出来事が起きた。マックス・フェルスタッペンがクラッシュし、黄色旗が提示される混沌のなかでジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得した一方で、なぜ多くのドライバーたちが最後のアタックを諦めなければならなかったのか。
その最大の答えが、現役の選手権リーダーであり、今回4番手スタートを余儀なくされたメルセデスのキミ・アントネッリの口から語られた。
1回目のランで1分06秒414の驚異的なタイムを記録し、暫定トップのまま運命のラストアタックに入っていたアントネッリ。セクター3に差し掛かったその瞬間、彼の目に黄色旗が飛び込み、同時にコックピット内には名レースエンジニアとして知られるピーター・ボニントン(ボノ)の緊迫した声が響き渡った。
「イエロー、イエロー、イエロー、イエロー!」
アントネッリは即座にアクセルを抜き、アタックを自主的に断念した。しかし、同じ区間を通過したチームメイトのラッセルは、ルールに適合するレベルでわずかに減速しつつもアタックを続行し、トップタイムをマークしてみせたのだ。
アントネッリ「本当に腹が立つ。ミスを犯したのは僕自身だ」
セッション終了後、パドックに戻ってきたボローニャ出身の若き天才は、怒りの矛先を他者ではなく、自分の判断に向けて剥き出しにした。
「今、本当に怒りで狂いそうだ。だけど、それは誰かに対してではなく、完全に自分自身に対してなんだよ! 僕は重大な判断ミスを犯してしまった。
なぜあの瞬間にそう思い込んでしまったのか自分でも分からないけれど、マックスのクラッシュ現場を見たとき、僕はコース上で『ダブルイエロー(黄色旗2本・即時アタック中止義務)』が振られていると錯覚してしまったんだ。だからレギュレーションの指示通りに、すぐにラップを諦める判断をした。
だけど実際には、提示されていたのは『シングルイエロー(黄色旗1本・減速義務)』だけだった。ジョージのように、適切にマージンを取って走り切るチャンスは十分にあったんだ。本当に悔しいし、この大失態はすべて僕の責任だ。
自分に対して猛烈に腹が立っている。あのミスさえなければ、確実にフロントローから決勝をスタートできていたはずなのに」
2台のフェラーリの後ろ、4番手からの逆襲へ「ロングランのセットアップには自信がある」
悔やんでも悔やみきれない予選となったものの、19歳のポイントリーダーはすでに前を向いている。決勝レースはメルセデスのラッセル、そしてフェラーリのシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンの先行を許し、4番手グリッドからのスタートとなる。
「決勝で勝つのは決して簡単じゃない。何しろ僕の前には2台のフェラーリが陣取っているわけだからね。タフな戦いになるのは間違いないよ。
だけど、不可能なミッションだとも思っていない。僕たちのマシンの純粋なペースは今週末ずっと素晴らしい状態をキープできている。それに、予選に向けてW17のセットアップを煮詰める段階で、僕たちは土曜日のスピードよりも、決勝のロングランでタイヤを持たせる方向へと明確に舵を切っているんだ。この選択が決勝で活きてくるはずさ」
若さゆえの純粋さと、シングルイエローの状況を瞬時に見抜いた先輩ラッセルの老獪さ。明暗を分けたメルセデスのガレージだが、アントネッリの決勝ペースが本物であることはFP1からのデータが証明しています。背後からは新シャシーを手に入れたフェルスタッペンも牙を研ぐなか、スタート直後のターン1、そして鬼門のターン3で、19歳のリーダーがどのような猛反撃を見せるのか、決勝の主役は間違いなくこの男になりそうです。
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