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バスール代表、メルセデスからの予算制限違反の匂わせに怒りの皮肉「少し落ち着くべきだ」

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fred vasseur ferrari British GP

マクラーレンのランド・ノリスとアストンマーティンのフェルナンド・アロンソがコストキャップ下の効率を巡って火花を散らし、エイドリアン・ニューウェイ氏が2027年ホンダ共闘を見据えた“あえての開発凍結”を告白するなど、今週末のイギリスGPは「お金と開発」の話題で持ちきりだ。

その火に油を注いだのが、パドックの2大巨頭、メルセデスのトト・ヴォルフ代表とフェラーリのフレデリック・バスール代表による、予算制限を巡る真っ向からの舌戦である。

事の始まりは前戦オーストリアGP。メルセデスのウォルフ代表は、毎レースのように新パーツを投入してくるフェラーリに対し、「普通はすぐに予算上限に達して開発費が底を突くはずだ。同じルールが全員に適用されるべきだ『願わくばね』」と、含みを持たせた言い方で彼らの会計に疑念を呈したのだ。

バスール代表「彼らがやれば『天才』、我々がやれば『詐欺』か」

これに対し、シルバーストンで行われたFIA公式記者会見に臨んだバスール代表は、普段の温厚な表情から一転、痛烈な皮肉を込めてヴォルフ代表の発言を切り捨てた。

「トトとメルセデスからそんな言葉が出てくるなんて、皮肉としか言いようがないね。

メルセデスやレッドブルが次々とアップデートを投入すれば、彼らは『天才』と称賛される。しかし、我々フェラーリが同じように開発を進めると、今度は『不正』をしていると言い出すんだ。

みんな少し頭を冷やして落ち着くべきだ。我々はレッドブルや他のチームと比べて、取り立てて多くのパーツを持ち込んでいるわけではない。トトの発言がジョークのつもりだったのかは知らないがね」

オーストリアでのヴォルフ氏の表情は決して冗談を言っているようには見えなかった。記者から「これはヴォルフからの事実上の“不正告発”と受け止めているか?」とストレートに問われたバスール代表は、言葉を慎重に選びながらも、不快感を隠さなかった。

「もし彼が、我々が予算上限を超えて開発しているという前提で話しているのだとしたら、あぁ、その質問は不正告発という方向性にかなり近いだろうね」

なお、パドックでも親友として知られる二人は、この件について直接言葉を交わしたのかという問いに対し、バスール代表はニヤリと笑いながら「今は話すのを避けた方が賢明だったよ」と答えた。

アップデートの本質「前半戦にパフォーマンスを出す方が合理的」

会見が進むにつれ、ヴォルフ氏のコメントやアップデートに関する質問が集中すると、バスール代表は目に見えて回答を短くし、お得意のブラックユーモアを交えるようになった。

「なぜトトは、他でもないあなたとフェラーリをターゲットに選んだのか?」と問われると、バスール代表は笑いながらこう一蹴した。

「なぜ彼が私の話をしたのか、それは彼に直接聞いてくれ。私に聞かないでほしい。正直、僕にはさっぱり理由が分からないよ」

また、疑惑の目が向けられているフェラーリのアップデート計画そのものについて、バスールは現在のレギュレーション下における至極真っ当なロジックを説明した。

「シーズン初頭に少しでも多くのパフォーマンスを持ち込めるなら、その方がいいに決まっている。そこは全チーム同じ舟に乗っているんだ。

最後の残り2レースでコンマ数秒を縮めるよりも、シーズンの最初の5レースからそのコンマ数秒のアドバンテージを手にしている方が、獲得できるポイントを考えれば遥かに有益だろう?

それに、皆さんは我々が毎回巨大なアップデートを入れていると思っているかもしれないが、実際にはいくつかのパーツの細かな仕様変更に過ぎないことも多い。それほど大きな変更を加えているわけではないんだ」

このバスールの言葉の裏を読めば、フェラーリはシーズン前半に予算と開発を集中させており、後半戦にはそれほど多くのニューパーツが登場しない可能性を示唆している。

金曜日の結果が証明するフェラーリの“正当性”

皮肉にも、ヴォルフ代表から口撃を受けたフェラーリのアップデートは、ここシルバーストンで完璧な形で効果を証明している。

金曜日のスプリント・クオリファイでは、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)がFP1、SQ1、SQ2、SQ3のすべてでトップタイムを刻むという完全無欠の走りで、土曜日のスプリントのポールポジションを獲得。メルセデスのキミ・アントネッリを0.011秒差で退けた。

政治戦で揺れるパドックにおいて、跳ね馬は「最速のタイム」というこれ以上ない強烈な回答をトラック上で突きつけてみせた。土曜日のスプリントは、フロントローからスタートするハミルトンとアントネッリの師弟対決だけでなく、ヴォルフ代表とバスール代表によるコンストラクターズの意地をかけた代理戦争としても、激しい火花が散ることになりそうだ。

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