フェルスタッペン、リヤウィングの致命的バグで高速クラッシュ。メキース代表「我々の責任」と認める不信感は頂点へ
イギリスGPの決勝でライバルたちを相手に追い上げを展開していたマックス・フェルスタッペン。時にはハミルトンとFIAの審議対象になるほどの限界スレスレのバトルを演じ、予選7位の劣勢から見事に3位表彰台圏内までマシンを押し上げていた。
しかし48周目、超高速コーナーへのアプローチでその奮闘は最悪の結末を迎える。突如としてマシンのリヤがブレイクし、スピン状態のまま激しくグラベルへと滑り込んだのだ。
「グラベルに捕まった! 呪われたマシンだ! クソが! 信じられない。なんてゴミみたいな展開だ!」
コックピットから飛び出したフェルスタッペンの無線は、パドック中にその絶望の深さを響かせた。
繰り返された悪夢-オーストリア予選と同じ「リヤウィングのバグ」
国際映像が捉えたリプレイでは、ターンインの瞬間にマシンのリヤが完全に浮いているような挙動を見せていた。その原因について、レッドブル・レーシングのローラン・メキース代表はレース後、すぐにチームの技術的失策を認めた。
「リヤウィングに問題が発生していた。これは完全に我々チーム側の責任だ。決勝でのマックスのペースは予選よりもはるかに素晴らしかっただけに、このような形でリタイアに終わったことは極めて痛恨だ」
フェルスタッペン自身も、このトラブルが直近のレースで何度もチームを襲っている「既知のバグ」の再発であると指摘し、怒りを隠さなかった。
「オーストリアGPの予選のときと全く同じだ。またしてもリヤウィングが完全に閉じきっていなかった。 細かい原因は違えど、もたらされた結果は全く同じだ。こんなことが何度もあってはならない。
マシンの絶対的なスピードが足りていないこと以上に、こうした致命的なトラブルが頻発していることに心底イライラしている。これをドラマチックと呼ぶこともできるだろうが、僕に言わせれば単なるクソだ。全く満足していない」
フェルスタッペンの冷徹な自己分析-「表彰台に値する実力はなかった」
カナダでの3位、オーストリアでの2位に続く今季3度目の表彰台を失い、壊れたマシンと共にノーポイントで週末を終えることになったフェルスタッペン。しかし、彼はもしクラッシュせずに3位でフィニッシュできていたとしても、そこに歓喜はなかったと冷酷に言い放った。
「正直になろう。僕が一時的に3位を走れていたのは、他車のペナルティや、バーチャルセーフティカーのタイミングが味方したからに過ぎない。
マシンのバランスは依然として最悪で、フロントをシャープにターンインさせることすらできず、自分から主体的にアタックを仕掛けることなんて不可能だった。仮にあのまま3位でチェッカーを受けていたとしても、何の達成感もない、後味の悪いものになっていただろうね。なぜなら、僕たちはそのポジションに値する実力なんて持っていなかったんだから。 またしても、ただただ苦痛に満ちた週末になったよ」
フェラーリの「完全勝利」をアシストしてしまった皮肉
さらに皮肉なのは、フェルスタッペンのこのクラッシュが原因で導入されたセーフティカーが、レース全体のパワーバランスを決定づけてしまった点だ。
トップを快走していたルクレール率いるフェラーリ陣営は、ミハエル・シューマッハ/ルーベンス・バリチェロ時代以来となるシルバーストンでの「歴史的ワンツーフィニッシュ」を狙い、セーフティカー導入時に2台揃ってピットインを敢行した。しかし、メルセデスのジョージ・ラッセルがあえてステイアウトを選択。
そのままレースがセーフティカー先導のままファイナルラップまでコントロールされたため、ニュータイヤに履き替えたハミルトンはラッセルを抜き返す機会を永遠に失い、フェラーリのワンツーは幻となった。結果として、メルセデスに2位を「プレゼント」する形となってしまった。
マシンの基本性能の低迷に加え、DRSの作動不良という構造的欠陥まで露呈したレッドブル。フェルスタッペンが放った「走る意味がない」という言葉の重みを、メキース代表率いるエンジニア陣はどう受け止めるのか。次戦ハンガリーGPまでに、彼らに残された時間はあまりにも少ない。
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