オワード、マクラーレンのリザーブドライバー離脱を直訴─2026年F1規定に否定的見解、インディカー専念へ
レーシングドライバーにとって世界最高峰であるF1のシート、あるいはそれに最も近いリザーブドライバーという立場を、自ら手放す決断を下すケースは珍しい。しかし、マクラーレンのパトリシオ・オワードは、その道を選んだ。
メキシコ出身のオワードは、インディカーで7回のポールポジション、10回の優勝、33回の表彰台を記録し、シリーズを代表するドライバーのひとりとして活躍している。一方で、マクラーレンF1チームの公式リザーブドライバーとして、ランド・ノリスやオスカー・ピアストリに万が一の事態が生じた際の代役を託される重責も担ってきた。
2022年から2025年にかけては、母国メキシコGPや最終戦アブダビGPのフリー走行1回目(FP1)でマクラーレンのマシンをドライブし、F1パドックでもお馴染みの存在となっていたオワード。しかし、ポッドキャスト『Speed Street』の中で、マクラーレン首脳陣に対し、F1関連のすべての役割から外してほしいと自ら申し出たことを明かした。
F1への感謝と心境の変化
オワードは、マクラーレンで得られた経験への感謝を示しながらも、自身の優先順位が変化したと語った。
「F1の世界で経験させてもらったすべてのことには、心から感謝している。特にここ数年、F1マシンをドライブできたのは信じられないような体験だったし、純粋にあのレベルのレーシングカーがどれほどの能力を持っているのかを肌で知ることができたのは財産だ。
でも、僕は今、人生の全く異なる地点に立っている。正直に言って、僕にとってもうF1はそれほど重要な優先事項ではなくなってしまったんだ」
インディカーへの専念を決意
リザーブドライバーとしてF1のレギュラーシートのチャンスを待ち続ける立場についても、現在は以前のようなモチベーションを感じていないという。
「自分の内側から『F1のリザーブドライバーを続けろ』と突き動かされるような情熱を、もう感じないんだ。
僕にはインディカーという最高の居場所がある。僕はアメリカの、このインディカーシリーズを心から愛している。僕がいたい場所はあそこであり、インディカーだけで十分なんだ」
2026年規定への率直な評価
今回の決断には、2026年から導入された新しいF1レギュレーションも影響しているようだ。パワーユニットやアクティブエアロを大幅に刷新した新世代マシンについて、オワードは自身の率直な感情を隠さなかった。
「はっきり言って、2026年規定のマシンをドライブすることに何のワクワク感も抱けない。
だからチームに対して、『F1に関わるすべての職務から僕を解放してほしい』と丁寧に、そして明確に申し出た。
これからは自分にとっての真の優先事項に100%集中したい。今まで以上にハードにトレーニングをこなし、食事管理を徹底して、インディカーの2027年シーズンに向けた最高の準備を進めるつもりだ」
F1でのチャンスを待ち続ける道ではなく、すでに実績を築いてきたインディカーに専念するという選択を下したオワード。2026年型マシンを巡っては複数のドライバーから様々な意見が上がっているが、オワードにとっては新レギュレーションへの評価も、F1から距離を置く決断を後押しする一因となったようだ。
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