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クラック&折原GMが語るバルセロナへの覚悟―モナコ1点の舞台裏とホンダエンジンの開発現実

aston martin honda Barcelona gp 2026

2026年F1第7戦スペインGP(バルセロナ)を前に、アストンマーティンのチーム代表マイク・クラックとホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)トラックサイド・ゼネラルマネージャー折原慎太郎氏がメディアの前に姿を現し、モナコGPの総括と今後の開発方針について率直に語った。

モナコ1点「運があったことは認める」

モナコGPでアストンマーティンは今季初得点を獲得したが、クラック氏はその性質を冷静に分析した。

「ポイントを取ろうとは話し合っていなかった。それほど厳しい状況だった。モナコのレースはパフォーマンスではなく、コースポジションをいかに維持・改善するかで決まる。ペナルティが出ることは予想していたし、ペナルティが多発するのがモナコだと知っていた。だからできる限りクリーンに走ることを徹底した」

「一定の幸運が必要だったことは認める。セーフティカーや赤旗でリードラップに戻るためには、そういう展開が必要だった。チェッカーから3時間半後に優勝が確定するとは思っていなかったが、シーズン頭から懸命に働いてきた全員への報酬として素直に嬉しい」

バルセロナ「隠れる場所はない」

次戦バルセロナについて、クラック氏は正直な見立てを示した。

「バルセロナは厳しくなる。本当に厳しい。バルセロナには隠れる場所がない。あのサーキットを走れば、自分たちの実力がどこにあるかがわかる。アップグレードを持ち込んだ後なら、本当のパフォーマンスの現実が見える。それを理解した上で、ミスなく走りきり、最大限の学習を得ることに集中する。ドライバーにとっては厳しい週末になるかもしれないが、彼らが必要以上にネガティブにならないよう守ってあげたいとも思っている」

ピットレーン速度超過「なぜ発生したか不明だった」

モナコで複数チームが速度超過ペナルティを受けた件について、クラック氏は率直に語った。

「正直に言うと、なぜ発生したのかわからなかった。ピットレーンが想定以上に凸凹していた。マシンがピットレーンを走る映像を見ても、かなりバウンスしていた。だから余裕を持たせて0.5km/h程度のバッファを設けた。なぜあれほど多くのチームにペナルティが出たのかは、まだ理解しきれていない」

ホンダエンジン開発「夏頃に一歩前進」

折原GMはエンジン開発の現状と展望について話した。

「シーズン序盤は単気筒でのシミュレーションと検討を進め、現在はV6エンジンの開発に移行した。工場からポジティブな数値は出てきている。ただし性能開発は常にステップ・バイ・ステップ。F1にマージンはない。夏頃には何らかの改善が見えてくると思うが、余裕があるわけではない」

また2027年規則変更で認められるICE出力5%増についても言及した。「5%増は我々にとって現実的な数字だ。大きなハードウェア変更なく対応できると思う。ただし出力を5%上げれば信頼性への影響は出る。そこは管理していく」

ドライバビリティ「改善したが、新たな課題も発見」

折原GMはモナコで新たな課題が見つかったことも認めた。

「前回お伝えしたとおり、燃焼安定性については改善が進んでいる。ただモナコでは別の問題点も発見した。V6エンジンはMGU-Kのトルクとエンジントルクの組み合わせで出力を生み出すが、そのトルク配分のハーモニーが取れていないとトルク供給の問題が発生する。今後改善できる余地が見えたという意味では前向きな発見だ」

ストロールのクラッシュ「ドライバビリティ問題が根本原因」

モナコでのランス・ストロールのクラッシュについて、クラック氏は技術的な背景を明かした。

「レース中にいくつかの問題が発生し、スイッチ操作で変更せざるをえない状況だった。ドライバーにはブーストとリジェネを最低限に下げるよう依頼し、エネルギー管理の安定化を図っていた。しかし彼は何度も『ドライバビリティが悪すぎて無理だ』と返してきた。最終的に1速で試みた際に、彼が表現する”キック感”——突然の押し出し感——でラインを外れた。オンボード映像でも不規則な挙動が確認できる。エンジン関連と判断しており、今後はギアボックスの改善も重要課題だ」

ADUOの結論「FIAの数値は公正だった」

FIAのエンジン開発特別許可(ADUO)プログラムの結論について、クラック氏はコメントした。

「FIAから数値を受け取った。詳細は開示できないが、われわれ自身の内部分析とほぼ一致する内容だった。レッドブル・パワートレインズは素晴らしい仕事をしており、FIAの数値もわれわれには公正な内容だと感じている。今はその結果を踏まえて夏に向けた燃焼性能の改善と摩擦低減に取り組んでいる」

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