【オーストリアGP】ラッセル、タイム差を一蹴。メルセデスが警戒する、猛暑で覚醒するマクラーレンの脅威
オーストリアGPの舞台であるレッドブル・リンクで開幕した金曜フリー走行。メルセデスのジョージ・ラッセルの滑り出しは決して悪くなかった。FP1ではチームメイトであり、現在ドライバーズ選手権をリードするキミ・アントネッリに対してわずか0.04秒差に迫る好走を見せていた。
しかし、予選シミュレーションが行われたFP2のタイムシートが確定したとき、ラッセルは初日トップタイムを叩き出したアントネッリに対し、0.6秒もの大差をつけられていた。
この一見ショッキングなタイム差について、パドックでマイクを向けられた実力派のラッセルは、まったく焦る様子を見せず、冷静に状況を分析した。
「0.6秒差は単なるミス」他チームのトラブルに隠されたメルセデスの現在地
「(アタックラップで)明確なミスがあったんだ。だからこのタイム差自体はまったく問題にしていないよ」
ラッセルはそう語り、初日のリザルトを楽観視している。
「すべてはたった1周のランの中での話だからね、心配する理由は何もない。FP1の走りはすごくポジティブだったし、FP2でのロングラン(レースペース)に関しても、マシンの手応えはかなり良いと感じている」
ただし、ラッセルはメルセデスの初日のポジションが、ライバルたちの自滅によって「実力以上に良く見えている可能性」についても釘を刺すことを忘れなかった。
「今回は、僕たち以外のすべてのドライバーが何かしらのトラブルを抱えているように見えた。画面に目をやるたびに、誰かしらがピットボックスに引っ込んでいるような状態だったからね。ランド(ノリス)はセッションの本当に最後になるまでコースに出てこられなかったし、ルイス(ハミルトン)やマックス(フェルスタッペン)もトラブルフリーではなかったはずだ。そのおかげで、僕たちのパフォーマンスが少し底上げされて見えている部分はあると思う」
本当の脅威は身内ではなくマクラーレン「彼らは暑くなると飛んでいく」
ラッセルが今週末、真に警戒の目を向けているのは、ピットボックスの反対側にいるアントネッリではなく、マクラーレンの2台だ。
「FP2の走り始めから、マクラーレンはとにかく異次元の速さだった。マクラーレンの連中は文字通りコース上をフライ(飛行)していたよ。一方で、僕のセッションは完全にスムーズとはいかなかった。彼らのレースペースは極めて強力だし、1発のアタックのスピードも驚異的だ。間違いなく、僕たちにとっての『本物の脅威』になる」
ラッセルはこのマクラーレンの速さを、ここ数年のデータから導き出された「ある明確なトレンド(傾向)」によるものだと見ている。その鍵を握るのが、今週末のスピルバーグを包む「猛暑」だ。
「彼らは気温や路面温度が上がると、決まってパフォーマンスを上げてくるんだ。それは昨シーズンもそうだったし、ここ数年の明確な傾向だ。今季最初の本当に暑いレースだったマイアミGPを思い出してほしい。彼らはあそこで勝っていてもおかしくない速さ(※実際はノリスが2024年に初勝利、2026年現在も酷暑に強い特性を維持)を持っていた。
前戦のバルセロナでも、ランドは僕たちと同等以上の素晴らしいペースを維持していた。そしてこのオーストリアでも、彼らは初日からきっちり合わせ込んできている。つまり、**『マクラーレンは暑いレースで一歩前進し、逆に僕たちメルセデスは少し後退する』**というはっきりとした図式が見えているんだ。ここをどう切り抜けるかが、今週末の最大の勝負どころになる」
【関連記事】
