【プレシーズンテスト2日目】一歩先を行くレッドブルと一貫性を獲得したメルセデス
バーレーンで行われたプレシーズンテスト2日目、F1各チームは来週末の同会場でのシーズン開幕を前に、それぞれの新しいマシンについてできるだけ多くのことを学びたいと考えている。
セルジオ・ペレスが周回数で最も多く、カルロス・サインツが最速だった。バーレーン・インターナショナル・サーキットでのテスト2日目を終えてわかったことはいくつかある。
レッドブルは依然としてトップチーム
木曜日の朝、バーレーンのパドックではレッドブルの話題が中心だった。あるチーム関係者はレッドブルのペースを”恐ろしい”と評し、初日にマックス・フェルスタッペンが見せた走りに感銘を受けたという。
2日目には、セルジオ・ペレスがブレーキ火災とパワーの問題を経験するなど、やや波乱の展開となったが、それでもペレスは100周以上の周回を重ね、マシンは「間違いなく戦いに向けて一歩前進している」と報告した。
ペレスは午後のセットアップ作業に集中し、レース当日のパフォーマンスに一貫性を持たせることを目指した。RB20は高速コーナーでの走行、縁石での路面追従性、コーナーでのスムーズさなど、さまざまな面でシルクのようなスムーズな走りを見せた。
ペレスはテスト序盤から、チームが好調だということをできるだけ控えめに口にするようにしていた。しかし、彼とチームメイトのフェルスタッペンがここまでに出した結果を見る限り、エイドリアン・ニューウェイ率いるミルトン・キーンズのデザインチームは、またしても素晴らしいマシンを世に送り出したようだ。
フェラーリにとって複雑な1日だったが、マシンは上出来な一歩を踏み出したか
サインツのタイムそのものを読み解いても、それほど価値のある示唆は得られないだろう。彼がどれくらいの燃料を使い、マシンがどのようなコンフィギュレーションだったのかはわからないからだ。しかし、データは冬行われた風洞やCFDとよく関連していることがわかっている。
昨年、フェラーリは1周の速さでは優秀だったが、レース当日はタイヤを生かすのに苦労した。そのため、デグラデーション低減に取り組むことがシーズン前のテストプログラムの重要な部分を占めてきた。そしてフェラーリファンのティフォシ達には良いニュースとして、チームのデータからは彼らが一定の成果を得たことが読み取れるという。
しかし、2日目のフェラーリは順風満帆とはいかず、ルクレールがドレインカバーに接触して赤旗中断。その結果、ルクレールは午後に少し余分にコースタイムを与えられ、その後サインツにマシンを託した。
初日は硬めのコンパウンドを中心に走行していたサインツは、ピレリのラインナップで2番目に柔らかいC4を走らせると、すぐにこの日の最速タイムをマークし、ドライバーとして初めて1分29秒台に突入した。
新たなメルセデスはより一貫性があり獰猛さは控えめか
ルイス・ハミルトンは2日目、2024年仕様のメルセデスに初めて触れた。午前中はデータ収集のためにエアロランを繰り返し、午後はレースシミュレーションと1周のパフォーマンス評価に集中した。
7度のワールドチャンピオンを獲得した輝かしい経歴を持つハミルトンは、チームが今年のマシンを「明らかに改善した」と評価。「(昨年までのマシンより)ずっと良いね」と付け加えた。
チームメイトのジョージ・ラッセルは、メルセデスは 「すべてのコーナーで噛みついてくるような」クルマから、「リアが踏み出さずに中高速コーナーを攻められる」クルマに乗り換えたようだと語った。
まだ2日しか経っていないが、12カ月前と比べるとメルセデスの雰囲気はかなり違う。昨年の今頃は、新車がライバルに敵わないことはすぐに分かっていた。だが今回はずっと楽観的だ。とはいえ、レッドブルに戦いを挑むにはまだ先があると彼らは考えている。
RB、序盤のペースは印象的も慎重姿勢をキープ
RBのダニエル・リカルドはプレシーズンテストで2日連続のトップ5タイムを記録し、新時代に向け心強いスタートを切った。
昨季終盤にチームが開発を大きく推し進めた(アルファタウリは最終戦アブダビGPにアップグレードしたフロアを持ち込んだ)ことを考えると、今季のスタートが遅いことで代償を払う可能性があることはチームでも受け入れられていると思われる。
しかし、2日間で244周を走ったことは確かな成果であり、リカルドも角田裕毅もテストの展開に満足しているようだ。
また、開発の遅れは序盤の彼らに悪影響を及ぼすかもしれないが、今夏に提供されるはずのものがすでに供給ルート上にあることが知られており、シーズン後半に中盤グループの先頭で戦うという目標を達成できる可能性がある。
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