マイアミGPへ挑むアストンマーティン×ホンダ─振動問題に対策パッケージ、前進への自信
今シーズン、アストンマーティンとホンダは苦しい船出を強いられた。開幕3戦を通じて振動問題に悩まされ、ランス・ストロールとフェルナンド・アロンソの両ドライバーはグリッド後方での戦いを余儀なくされている。
しかし、約1か月の中断期間を経て迎えるマイアミGPに向け、両者は巻き返しへの準備を進めてきた。日本GP後にはチームの車両1台をホンダのさくら研究所へ持ち込み、実車を用いた徹底的な振動解析を実施。改善策を盛り込んだ新パッケージを今週末投入する。
マイアミGPのメディアデーで、アストンマーティンのマイク・クラック氏とホンダの折原伸太郎氏が現状を語った。
Q:解決策の進捗状況は?
クラック氏:この数週間をホンダとともに活用し、パッケージのさらなる改善に取り組んだ。日本GP後には車両1台を残して作業を続け、今回も対策パッケージを持ち込み、総合的な戦闘力向上を目指している。協力体制は非常にうまく機能したと思う。
Q:ダイノでは振動を完全に再現できなかったと説明していたが、実車をさくら研究所へ持ち込んだ効果は?
折原氏:レースカーをさくらに持ち込み、ダイノテストと実車の振動計測を行った。対策を施したうえで再度振動を確認し、多くのデータを取得した。振動面ではいい進歩が見られ、その対策を今回導入している。エンジンのバッテリー側の振動だけでなく、ドライバーに伝わる振動についても改善が見られた。ここでどう機能するか、結果を楽しみにしている。
Q:規則変更は信頼性向上への取り組みに影響したか?
折原氏:私の理解では、信頼性には影響しない。今回持ち込むパッケージには自信を持っている。
Q:規則変更でどのような難しさが生じた?
折原氏:鈴鹿ではレース距離を走り、多くのことを学んだ。そのデータをもとにセッティングの最適化を進めていたところで、規則がわずかに変更された。これにより戦略面へ影響が出る可能性はある。ただ、FIAの決定に従い、エネルギー管理戦略を最適化していく。全チームが新たな戦略検証に追われるだろう。
Q:今回の対策パッケージの中身は?
折原氏:詳細は明かせないが、改善のためのハードウェア変更を導入している。引き続き多くの対策を重ねていく。
クラック氏:主に信頼性向上に取り組んだ。エネルギー管理だけでなく、重量やドライバビリティも重要な要素だ。根本的な問題の低減に加え、システム全体やドライバーへの影響緩和にも取り組んでいる。
Q:エネルギー管理については?
折原氏:こちらも詳細は説明できない。最大容量に達するかどうかも、現時点では言えない。動物性油(AUA油)に関する提案については、FIAの判断を待って従うのみだ。
Q:4週間でどこまで改良できたのか?
折原氏:4週間は大きなハードウェア変更を実装するには短い期間だ。しかし、さくらでは今回の対策投入に向けて非常に懸命に作業してくれた。確かな成果を出してくれたと思う。
Q:今週末に向け、前進への自信は?
クラック氏:自信はある。この数週間の共同作業は確実に前進につながる。マイアミでもさらなる一歩を期待している。ただし、信頼性の問題が解消されれば、次に問われるのはパフォーマンスだ。そこでも改善が必要であることは認識している。一夜にしてすべてが変わるわけではない。信頼性もパフォーマンスも着実にステップアップしているが、ライバルも同じように進化している。開発競争は始まったばかりであり、遅れを取り戻すのは非常に難しい。
Q:2026年を飛躍のシーズンと位置づけていた中で、開幕から苦戦が続き焦りはあったか?
クラック氏:我々は皆レーサーだ。グリッド後方を走りたい者などいない。ただ、問題が起きた時に焦っても意味はない。最も厳しい立場に置かれるのはドライバーだ。フラストレーションを管理する必要はある。だが、ランスやフェルナンドは偉大なプロフェッショナルであり、いい時が必ず来ることを誰よりも理解している。
Q:この期間で得た学びは?
クラック氏:この数週間の共同作業を通じて、より概念的な研究や議論ができた。これは来年のマシン開発にも活かされる。多くを学んだと言えると思う。
Q:エンジン側のハードウェア変更でペナルティは?
クラック氏・折原氏:ペナルティはエンジン持ち込み数に応じて発生するが、まだ上限には達していない。現時点で特に問題は予想していない。
アストンマーティンとホンダにとって、マイアミGPは重要な一戦となる。振動問題への対策パッケージが反撃の第一歩となるか、注目される。
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