小松代表、マイアミGPでトヨタ連携・規則変更・MGU-K問題の現状を語る
2026年シーズン開幕から3戦を終え、レギュレーション変更を経て迎えるマイアミGP。ハースの小松礼雄代表がプレスカンファレンスに出席し、トヨタとの技術提携の進展、規則変更への見解、そして複雑化するF1技術規則への率直な思いを語った。
エンジニア出身らしい論理的な視点と、現場を知るリーダーとしての現実的な言葉。その発言からは、ハースが着実な前進を目指している姿勢がうかがえた。
Q:トヨタとのパートナーシップの現状は?
小松氏:3年間の取り組みの末、マイアミGPの週を活用し、アメリカでのキャンペーンをスタートできた。トヨタとの連携は日本側だけでなく、ドイツのケルンファクトリーとも協力しており、単なる地域的な提携ではない。北米におけるトヨタの大きな存在感を考えても、今後さらに多くの可能性があると感じている。
Q:3レース消化後のレギュレーション変更への対応は大変だったか?
小松氏:今季開幕前の準備と変わらない。今回の変更は全面的な見直しではなく、あくまで調整の範囲だ。ドライバーやファンの意見、そして鈴鹿での出来事を踏まえた安全面の改善でもある。11チームとFIAが対話を続けながら協力して進めている点は、前向きに捉えている。
Q:今回の変更で十分か? さらなる修正はあるのか?
小松氏:実際に走ってみなければわからない。十分であればそれ以上の変更は必要ない。ただし、常にオープンな姿勢は持っている。プレシーズンテストの段階から課題は把握していたが、まずはオーストラリアと上海を見極めたかった。次の変更が必要かどうかは、今週末のレースで明らかになると思う。
Q:燃料流量の増加は検討されているのか?
小松氏:今年はない。
Q:予選でスロットル操作が“自動化された”とドライバーが話していたが、何が変わった?
小松氏:例えばバルセロナでは、最終コーナー出口で早く全開にしすぎるとバッテリーを使いすぎてしまうため、踏み込むタイミングを待つ必要があった。新レギュレーションでは、ドライバーは自分の判断でフルスロットルにでき、エネルギー展開の制御はチーム側が担う。エンジニアの指示を待つのではなく、ドライバーが自分のタイミングで加速できるようになった。
Q:今週末のアップグレードは? 両ドライバー同仕様か?
小松氏:今週末は2台とも同じ仕様。大規模なアップデートはシーズン後半にまとめて投入する予定だ。
Q:排気口後方にフェラーリのようなウィングレットを装着したとの噂があるが?
小松氏:フェラーリのものとは全く異なる設計だが、すでに装着している。
Q:カレンダーについて、シーズン終盤の追加開催の噂は事実か?
小松氏:正直なところわからない。シンガポールGP前後の時期に1戦復活させる案は耳にしているが、中東情勢次第だと思う。それ以降に追加されることはないだろう。シーズン延長の考えはないはずだ。
Q:4連戦は厳しすぎるのでは?
小松氏:現場のスタッフには同情する。ただ、聞いているのはシンガポールGP前後での1戦追加開催案だけで、それ以外はない。
Q:ウェットレースへの見通しは?
小松氏:まだ誰も本格的なウェットコンディションを経験していないので、正直わからない。フェラーリはバルセロナでテストしたようだが、あまりいい評価は聞いていない。日曜日の降水確率は約40%とのことで、実際の状況を見てみなければならない。
Q:コーナー出口でのパワー供給がまちまちに感じられるのはなぜか?
小松氏:MGU-Kの展開に関する複雑なレギュレーションが原因だ。およそ210〜215km/hを境に、スロットルを戻した際の挙動が変わる。その速度を超えていればMGU-Kは段階的にしか閉じず、下回っていれば完全にシャットダウンできる。わずか1km/hの差で挙動が大きく変わるため、ドライバーが感覚的に把握しづらい。規則には理由があるが、複雑すぎることで意図しない問題が生まれている。長期的には、もっとシンプルなルールにすべきだと思う。
Q:シーズン中の大幅変更は難しい?
小松氏:公平性の観点から難しい。このレギュレーションを前提にシステムを設計してきたチームもあるため、途中で大きく変えるのは不公平になる。当面は小規模な修正で対応するしかない。ただし、これ以上複雑さを増やさないよう慎重に進めていく。
Q:クラッシュによるアップグレード計画への影響は?
小松氏:ダメージは大きかったが、コスト面では想定内に収まった。アップグレードの生産には影響していない。
Q:かつてエンジニアだった立場として、細かい数字と格闘するような現場仕事が恋しくなることは?
恋しく感じる部分はある。ただ、今の役割はチーム全体を前進させることだ。優秀なエンジニアたちが100%信頼できる仕事をしてくれているので、自分はより大きな視点でチームのために動くことに集中できる。それもまた、やりがいのある仕事だと思う。
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