【オーストリアGP 予選】フェルスタッペン、Q3終盤の衝撃クラッシュに困惑
2026年F1第8戦オーストリアGPの予選Q2でソフトタイヤを温存する戦略を採ったマックス・フェルスタッペンは、わずか0.04秒差でQ3進出を決めた。しかし、迎えた最終アタックで突如マシンコントロールを失い、大クラッシュ。決勝を前に、その原因と修復状況に注目が集まっている。
Q3の1回目のアタックでは、暫定トップだったオスカー・ピアストリを約0.5秒上回る圧巻のラップを記録したフェルスタッペン。予選序盤の苦戦が嘘のような速さを披露し、一時はポールポジション最有力ともみられた。
その後、キミ・アントネッリに0.061秒、ジョージ・ラッセルに0.018秒上回られたものの、フェルスタッペンには最後のアタックが残されていた。
だが、チェッカーフラッグが振られる数秒前に悲劇は起きた。
ルイス・ハミルトン、シャルル・ルクレールらがタイム更新を続ける中、セクター3を走行していたフェルスタッペンは、ターン9進入で突如リヤを失いコントロール不能に。ランオフエリアを横切った後、マシンはタイヤバリアへ激しく衝突した。
フェルスタッペン「何が起きたのかわからない」
幸いにもフェルスタッペンに大きな怪我はなく、自力でマシンを降りてパドックへ戻った。しかし、本人にも原因の見当はついていないようだ。
「データを確認しなければならないが、現時点では何が起きたのか全くわからない。とにかく、信じられないほど奇妙な挙動だった。
実は最終ラップのターン6でも、かなり強いオーバーステアが出ていた。その時点で何かおかしいと思った。今週末あの場所でそんな挙動は出ていなかったからね。
そしてターン9でいつも通りにステアリングを切った瞬間、一気にリヤが抜けてコース外へ吹き飛ばされてしまった。本当に奇妙だよ」
一部では、今週末投入されたアップデートパーツとの関連性も指摘されたが、フェルスタッペンはこれを否定した。
「新パーツの有無や、その特性への理解度とは一切関係ない。Q3最初のアタックでは素晴らしい感触で走れていたし、マシンの手応えは間違いなく良かった。でも、2回目のアタックだけは完全に何かが違っていた」
もしクラッシュがなければポール争いに加われたかという問いには、冷静にこう答えた。
「あのラップを最後まで走り切ることができていれば、現実的に見て3番手は十分に狙えるだけのペースがあったと思う」
決勝への影響は? 修復作業とスペアパーツの状況
大きな衝撃を受けたRB22は、右側面とサスペンションを中心に損傷したとみられる。懸念されるのは、スペアパーツ不足によって決勝で旧仕様への変更を余儀なくされる可能性だった。
これについて、フェルスタッペンは短く否定した。
「パーツの在庫は十分にある。その点は問題ない」
このクラッシュについて、ドイツ『Sky』で解説を務める元F1ドライバーのティモ・グロック氏は、限界領域でのアタックが背景にあった可能性を指摘している。
「マックスがこれほど単純なミスを犯すことは滅多にない。ただ今回は、ポール争いが現実的に見えていた。
F1では、すでにマシンの限界に達している状態から、さらに上を求めてわずか“2km/h”だけスピードを上乗せしようとすると、今回のようなことが起きる。私の目には、あの瞬間のマックスのマシンはあまりにも動きが大きく、信じられないほど不安定に見えた。限界をほんの一線だけ超えてしまった結果、マシンが彼の手から完全にすり抜けてしまったんだ」
最終的に、暫定5番手という位置から決勝に臨むことになったフェルスタッペン。予選終盤の波乱を受け、レッドブルのメカニックたちは修復作業に追われる長い夜となりそうだ。
【関連記事】
